計画相談支援モニタリングシートが60分で完成!その作成方法と、注意すべき点を解説します。
モニタリングシートは利用者に提供するサービスの質を向上させるために欠かせない大切な要素ですが、様式例がたくさんあるため「どれだけ詳細に書けば十分なのかわからない」という方も多いのではないでしょうか。
本記事では、モニタリングシートを作成する意義を改めて確認した上で、その具体的な作成手順を詳しく紹介していきます。
事業所の提供するサービスをより良いものにしていくために、利用者本人やその家族との面談を丁寧に行い、有意義なモニタリングを目指しましょう。
目次
モニタリングシートとは
モニタリングシートとは、サービス等利用計画や個別支援計画に基づき提供されている福祉サービスが、利用者にどのような効果をもたらしたかを定期的に記録・評価するものです。
具体的には、相談支援専門員やサービス管理責任者などが、利用者本人やその家族との面談、サービス提供事業所からの聞き取りなどを通じて、以下のような点を確認します。
- サービスの提供状況
- 利用者本人の感想・満足度
- 計画変更の必要性の有無
モニタリングの目的
モニタリングは、サービスが利用者本人のニーズや目標に対して適切に実施されているか、計画に見直しの必要性がないかなどを確認することで、サービスの質を改善するために行われます。
サービス等利用計画や個別支援計画で設定した目標を達成できたのか確認し、現在提供しているサービスが本当に適切なものなのかを判断しましょう。
モニタリングの実施頻度
モニタリングを行う頻度の目安は、障害者総合支援法[1]では以下のように、4パターンに分類して説明されています。
第1号 サービス内容が大きく変わった場合:1か月以内
- 支給決定やその変更によって、サービスの種類・内容・量に著しい変動があった人
サービスが大きく変わった場合、本人の生活に与える影響が大きいため、そのサービスの利用開始日から3か月以内に限り、1か月ごとにモニタリングを行い、支援計画とのズレがないかを早めに確認することが推奨されています。
第2号 特に支援が必要な在宅生活者:1か月以内
- 施設退所直後で、集中した支援が必要な人
- 一人暮らしや、家族に障害・疾病があり、自力でのサービスの連絡調整が困難な人
- 重度障害者等包括支援の対象である人
日常生活における不安定さや複雑なニーズを抱えているため、1か月でモニタリングを行い、早期に対応を調整することが求められます。
第3号 在宅利用者のうち、一般的なケース:3か月以内
- 居宅介護、重度訪問介護、同行援護、行動援護、短期入所、自立訓練、共同生活援助、就労移行支援、就労定着支援、自立生活援助を利用している人
- 65歳以上で、介護保険の居宅介護支援や介護予防支援を利用していない人
この場合、比較的安定した状態が想定されるため、3か月ごとのモニタリングが基本とされています。定期的な見直しにより、長期的な支援の質を保つことが重要です。
第4号 その他のケース:6か月以内
- 療養介護、重度障害者等包括支援、施設入所支援
- 地域定着支援、地域移行支援
比較的安定したサービス提供が見込まれるため、6か月ごとのモニタリングでも支障がないとされています。
ただし、利用者の心身の状態や生活環境、サービスの内容や提供量、援助の方針などを考慮した上で、この目安とは異なる頻度でモニタリングを実施する場合もあります。相談支援専門員が適切だと判断した頻度で実施しましょう。
モニタリングシートの作り方
ここからは、実際にモニタリングシートを作成する手順を解説していきます。
モニタリングシートのひな形の準備
前提として、モニタリングシートは全国でフォーマットが統一されていません。各自治体が独自に様式を作成・公開している場合があり、その内容や書式は自治体によって少しずつ異なります。
まずは自治体のページでモニタリングシート様式をダウンロードしましょう。活用することで効率的にモニタリングを行うことができます。「〇〇市 モニタリングシート」などと検索すると、該当ページが見つかるでしょう。以下は、様式を配布している自治体の一例です。
また、このような形で様式を公開していないなど、十分な情報が記載されていればどんな様式でも問題ないとする自治体もあります。ただし、これは地域によって対応が異なるため、事前に自治体の障害福祉課などに直接確認し、指定様式の有無や記載項目のルールについて問い合わせることを推奨します。
ひな形が用意できたら、実際に記入を始めましょう。本記事では、記入の手順を、大きく4段階に分けて解説していきます。
ファイルが保護ビューで開かれている場合は、「編集を有効にする」を選択して、通常の編集状態に戻してください。
1. 基本情報・日付・同意欄
まず、「利用者氏名」「計画作成担当者」などの、基本的な情報を全て記入します。
2. 支援目標のテーブル
次に、支援目標に関する様々な情報を、表に記載していきます。
支援目標・達成時期
サービス等利用計画書の内容に基づいて、長期目標を達成するために必要となる具体的な子要素を記入します。サービス等利用計画書に記入している「解決すべき課題」に類する項目をベースにして、表現を少しだけ変えるか、そのまま引用するケースが多いです。
達成時期に関しても、サービス等利用計画書の内容をそのまま入力します。
サービス提供状況
相談員が把握しきれない、事業所での利用者の様子や変化などについて聞き取った内容を記載します。
ただし、事業所から聞いた話をそのまま記載するだけでは、利用者本人との認識にずれが生じ、信頼関係を損なう可能性があるため、表現には細心の注意が必要です。
例えば、事業所が「連絡なく休むことが多い」と認識している利用者についても、本人にとっては「行きたいと思ってはいるが、心身の不調で動けなかった」という状況である可能性があります。
この場合、「通所への意欲は見られるが、体調不良により連絡できず休む日がある。安定した利用に向けて、本人と話し合い改善策を検討する」というように、利用者本人が確認することを前提とした建設的な記載が求められます。
本人の感想・満足度
利用者本人がサービスの内容や事業所について満足しているかについて、聞き取った内容を記入します。
支援目標の達成度
サービスの提供によって、どの程度まで支援目標で掲げた状態に近づけたかを検討します。
「〇〇ができるようになった」「〇〇な行動が見られるようになった」という表現でまとめることが多いです。
今後の課題・解決方法
支援目標に、より近づくために取り得る手段について、具体的に記入します。
計画変更の必要性
ここまでの情報を総合的に見て、支援計画を変更する必要性があるのかを判断します。
一つの支援目標についての記載が完了したら下の行に移動し、次の目標についての記載に取り掛かります。
3. 総合的な援助の方針
全ての支援目標について記載が完了したら、シート全体の内容を踏まえて、サービス提供の方針を記載します。
利用者にどのような形で支援を行い、利用者がどのように社会と接点を持っていくのか、長期的な視点で書きましょう。
入力例
- 医療、福祉サービスを利用しながら、精神的な安定を図り、社会とも関わりを持ちつつ、一人暮らしを続けていくことができるようになる。
- 自分の気持ちを落ち着かせて、判断力を取り戻し安心して過ごせるようになるため、短期入所を利用していくことができるようになる。
- 将来はグループホームでの生活を考えているので、見学や体験利用等を行っていくことができるようになる。
4. 全体の状況
モニタリング時の様子や各事業所からの聞き取りの内容などをもとに、利用者の近況について記載します。
注意すべき点
シートを作成する目的を確認する
モニタリングの主眼はシートを完成させることではなく、利用者の変化や成長を確認し、支援内容をより良いものにすることにあります。
客観的に表現する
基本的には、利用者の言葉や具体的な数字を交えた、客観的な記述を意識しましょう。
「眠そうに見えた」などの主観表現だけで済ませず、「最近寝不足だと本人が話した」のような記録ができると、利用者の状況がより正確に伝わります。
ただし、数字を使った定量的な記述だけに偏ると、利用者が「数字で評価されている」「自分の生活に点数を付けられている」と感じる恐れがあります。「〇〇ができるようになったので、次は△△に挑戦する」のような、小さなステップでの成長・変化も記録することで、利用者の負担を抑えつつ進捗を伝えることができるでしょう。
モニタリング報告書は一方的な評価シートではなく、利用者自身が成長を実感できる整理シートであることに留意が必要です。
まとめ
本記事では、モニタリングシートを作成する目的や手順についてお伝えしました。
障害者支援におけるモニタリングは、計画(Plan)→実行(Do)→評価(Check)→改善(Action)というPDCAサイクルにおける評価(Check)の機能を果たす、支援の質を維持・改善するために不可欠なプロセスです。
事業所の提供するサービスをより良いものにしていくために、利用者本人やその家族との面談を丁寧に行い、有意義なモニタリングを目指しましょう。
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※法律の適用・解釈は最新の法令をご確認いただき、必要に応じて専門家にご相談ください。
[1] 障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律施行規則 第六条の十六:e-Gov 法令検索

