障害福祉ソフトは、製品の知名度や機能数ではなく、自事業所で最も時間がかかっている業務から選ぶことが重要です。現在は、記録・実績・国保連請求を中心とする従来型ソフトに加え、それらの機能とAI書類作成を一体化した「統合型の障害福祉AI」も選択肢になっています。
障害福祉ソフトを比較していると、「記録・請求・計画までオールインワン」「業務を大幅削減」「誰でも簡単」といった言葉が並びます。
しかし、実際の現場で困っていることは事業所ごとに違います。
- 面談後、個別支援計画書を書くために残業している
- 支援記録と実績、請求を別々に入力している
- 紙の帳票とExcelが事業所ごとに分かれている
- 相談支援のモニタリングや支援経過記録がたまっている
- ITが苦手な職員にも定着するか不安
- 利用者情報をAIへ預けてよいのか判断できない
比較で大切なのは、すべての項目に丸が付く製品を探すことではありません。最も重い業務が、導入後にどう変わるかを確認することです。
本記事では、AURA、knowbe、かべなしクラウド、ほのぼのmoreの4製品を、各社の公式公開情報に基づいて比較します。AURAを運営する株式会社Jinが作成していますが、AURAを1位とするランキングではありません。公開情報で確認できない項目は「要問い合わせ」と記載します。
目次
最初に結論:課題別の選び方
| 主な課題 | 比較時に重視する機能 | 候補の考え方 |
|---|---|---|
| 面談後の書類作成に時間がかかる | 音声文字起こし、AI下書き、対応帳票、人による確認 | AURAなど、面談から書類下書きまでを明示している製品を確認 |
| 記録と国保連請求の二重入力を減らしたい | 実績・記録・請求の連動、エラーチェック、伝送 | knowbe、かべなしクラウド、ほのぼのmore、AURA就労支援の実画面を比較 |
| AI用と請求用のソフトを分けたくない | AI下書き、利用者管理、支援記録、帳票、実績、請求の一体性 | 統合型のAURA就労支援を含め、面談から請求まで一連の操作をデモで確認 |
| 電子サインやペーパーレス化を進めたい | 電子サイン、メール交付、タブレット対応 | かべなしクラウドなど、交付までの流れを公開している製品を確認 |
| 複数サービス・大規模法人で使いたい | 対応サービス、拠点管理、権限、ネットワーク、サポート | knowbe、ほのぼのmoreなど、広いサービス対応や構成提案がある製品を確認 |
| 計画相談・障害児相談の書類を効率化したい | サービス等利用計画、モニタリング、支援経過記録、AI下書き | AURA相談支援、knowbe、かべなしクラウド等を、実際の自治体様式で比較 |
比較対象と調査方法
比較対象は、就労支援または相談支援で検討されることが多く、公式サイトで機能情報を確認できる以下の4製品です。
- AURA(株式会社Jin)
- knowbe(株式会社ノウビー)
- かべなしクラウド(株式会社エス・エム・エス)
- ほのぼのmore(エヌ・デーソフトウェア株式会社)
比較は2026年7月14日時点の各社公式サイトを基準にしています。実際の機能、料金、対応サービスは、契約プラン、オプション、事業所数、利用者数、自治体様式等で異なる場合があります。契約前に各社へ最新情報をご確認ください。
主要機能の比較
| 製品 | 主な対象 | AIによる書類下書き | 支援記録 | 国保連請求 | 主な帳票・業務 |
|---|---|---|---|---|---|
| AURA | 就労移行、就労継続A・B、計画相談、障害児相談 | 対応。面談音声等から書類の下書きを作成 | 対応 | AURA就労支援は対応。AURA相談支援は開発中 | 各対象サービスの実務上必要な書類・業務機能をほぼ網羅。アセスメント、個別支援計画、モニタリング、サービス等利用計画案、支援経過記録等 |
| knowbe | 就労・通所、共同生活援助、訪問、相談支援等 | 公式公開ページでは確認できず | 対応 | 対応。実績・記録と連動 | 個別支援計画、記録、実績、請求、工賃・給与等 |
| かべなしクラウド | 就労、生活介護、児童、共同生活援助、相談支援等 | 公式公開ページでは標準機能として確認できず | 対応 | 対応範囲はサービス種別ごとに要確認 | 個別支援計画、サービス等利用計画、モニタリング、実績、工賃、電子サイン等 |
| ほのぼのmore | 障害福祉の幅広いサービス | ほのぼのmoreの標準機能としては公式公開ページで確認できず | 対応 | 対応 | 利用者情報、個別支援計画、記録、予定実績、請求等 |
「AI」という表示があっても、音声入力、文章候補、自由な生成AI、福祉書類の下書きでは役割が異なります。また、AI下書きを作った後に別の請求ソフトへ転記する製品と、記録・実績・請求まで同じ環境で扱える製品では、導入後の業務フローが大きく異なります。デモでは「40分程度の面談音声から、自事業所で使う書類のどこまでが作られ、その後の記録・請求までどうつながるか」を通して確認してください。
料金・利用条件・サポートの比較
| 製品 | 公開料金 | 利用人数・端末 | 導入支援 | データ・AI学習で確認する点 | 公式情報 |
|---|---|---|---|---|---|
| AURA | 公式サイトでは要問い合わせ | 要問い合わせ | 動画、手順書、チャット等。詳細は要確認 | 音声保存期間、外部AI委託先、AI学習への利用範囲を契約前に確認 | AURA公式 |
| knowbe | 月額利用料は要問い合わせ。初期・サポート・システム改修費用0円 | 複数PC利用可。PC台数による追加費用なし。ユーザー数上限は要確認 | 専任スタッフ、電話・メール等 | AI下書き機能は公開情報で確認できず。保存・削除条件は要確認 | knowbe公式 |
| かべなしクラウド | 月額9,800円(税別)から。初期・サポート費用0円 | サービス種別、利用者数、拠点数で料金変動 | 専属担当による初回請求支援等 | AI下書き機能は公開情報で確認できず。保存・削除条件は要確認 | かべなしクラウド料金 |
| ほのぼのmore | 要見積もり | 導入構成・ライセンスを要確認 | アカデミー、Web操作説明、伴走支援等 | クラウド・オンプレミス等の構成、保存、権限、契約終了時の取扱いを確認 | ほのぼのmore公式 |
公開料金が安く見えても、必要な機能がオプションであれば総額は変わります。反対に、月額が高くても、別の文字起こし、記録、請求、保存サービスを解約できれば、全体コストが下がる場合があります。
見積もりでは、少なくとも以下を同じ条件で出してもらいましょう。
- 1事業所・現在の利用者数での月額
- 初期設定・データ移行費
- 職員アカウント・端末追加費
- 2事業所目以降の費用
- AI利用量の上限と超過料金
- 帳票追加・自治体様式対応費
- 国保連請求・伝送に必要な追加費
- 導入研修・訪問支援費
- 契約期間と解約条件
- データ出力・返却費
AURAの特徴
AURAは、面談音声や支援記録から障害福祉書類の下書きを作成するAI機能と、従来の障害福祉ソフトが担ってきた業務機能を一つにした、統合型の障害福祉AIです。
AURA就労支援は、実務上必要な書類、利用者管理、支援記録、帳票、実績、保管、国保連請求などを一つの環境で扱えます。AURA相談支援も、相談支援の実務上必要な書類と機能をほぼ網羅しており、国保連請求機能のみ開発中です(2026年7月14日時点)。
導入事業所へのインタビューでは、個別支援計画の作成が約1時間から約10分になった例、相談支援の書類作成が約1〜2時間から約5分になった例などが紹介されています。これらは個別の導入事例であり、効果は面談時間、対象書類、修正量、運用方法によって異なります。
向いている可能性がある事業所
- 面談後のアセスメントや計画書作成に時間がかかっている
- モニタリングや支援経過記録がたまりやすい
- 録音、文字起こし、書類作成を一つの流れにしたい
- AIだけで完成させず、職員が確認する運用を重視したい
- AI用と既存の障害福祉ソフトを分けず、業務を一元化したい
- 就労支援で利用者管理、記録、帳票、実績、保管、国保連請求までまとめたい
- 相談支援で、国保連請求以外の実務を一つの環境にまとめたい
デモで確認したい点
- 実際の面談音声での認識精度
- どの書類が下書きされ、どの項目は人が入力するか
- 職員確認を含む最終完成時間
- 自治体・事業所独自様式への対応
- AURA相談支援の国保連請求機能の提供開始時期
- 音声保存期間とAI学習への利用範囲
- 現在利用中のソフトからのデータ移行
- AURA就労支援
- AURA相談支援
- AURA導入事業所インタビュー
knowbeの特徴
knowbeは、障害福祉に特化したクラウド型の請求・記録ソフトです。就労・通所、共同生活援助、訪問、相談支援など、複数のサービス向けページを公開しています。
利用者情報、実績記録、支援記録などを一元管理し、実績と記録を請求へつなげることを強みとしています。公式サイトでは、初期費用、サポート費用、システム改修費用が不要で、複数のパソコンから追加費用なしで利用できると説明されています。
向いている可能性がある事業所
- 記録、実績、請求の二重入力を減らしたい
- 複数の障害福祉サービスを同じ製品で管理したい
- 導入後の専任サポートを重視したい
- 端末台数による追加費用を抑えたい
デモで確認したい点
- 面談内容から文章を作成する機能の有無
- 自事業所で使う帳票の対応状況
- 月額料金とユーザー数の条件
- 相談支援で作成・請求できる書類
- データの保存・削除・出力条件
- knowbe就労・通所系
- knowbe相談支援系
かべなしクラウドの特徴
かべなしクラウドは、記録、帳票、請求、工賃・賃金計算、電子サイン、メール交付などを扱う障害福祉向け業務支援ソフトです。
月額9,800円(税別)から、初期費用・サポート費用0円と公開されており、費用の入口が分かりやすい点が特徴です。サービス種別、利用者数、拠点数によって料金は変わります。
電子サインやメール交付を含めて、紙の計画書・実績記録票・郵送作業を減らしたい事業所は、実際の交付フローを確認するとよいでしょう。
向いている可能性がある事業所
- 電子サイン・メール交付でペーパーレス化したい
- 工賃・賃金計算も同じ製品で扱いたい
- 公開されている料金目安から検討を始めたい
- 記録と実績、請求の連動を進めたい
デモで確認したい点
- 自サービス種別で国保連請求まで完結するか
- AIによる面談・書類下書き機能の有無
- 利用者数・拠点数を含む最終見積もり
- 電子サインの対象帳票と本人への交付方法
- 既存データの移行方法
- かべなしクラウド支援記録・帳票
- かべなしクラウド計画相談支援
ほのぼのmoreの特徴
ほのぼのmoreは、障害者総合支援法に対応した障害福祉事業者向けシステムです。利用者基本情報、個別支援計画、記録、予定実績、請求情報を連動させる構成が案内されています。
クラウド版の選択肢に加え、アカデミー、Web操作説明、伴走支援など、導入・運用サポートが用意されています。法人規模、ネットワーク、サービス構成に合わせて提案を受けたい場合に比較候補となります。
向いている可能性がある事業所
- 複数の業務・サービスを総合的に管理したい
- 法人規模に合わせたシステム構成を相談したい
- 導入後の研修・運用支援を重視したい
- クラウドを含む運用環境を選びたい
デモで確認したい点
- 自法人の全サービス種別への対応
- 初期費用、ライセンス、保守、クラウド費用の総額
- AIによる福祉書類下書き機能の有無
- 外出先・タブレットからの記録方法
- データ移行、他システム連携、契約終了時の出力
- ほのぼのmore機能概要
- ほのぼのmoreクラウド・セキュリティ
AI機能を比較するときの注意点
「AI搭載」という表記だけでは、現場で何が変わるか分かりません。以下を分けて質問してください。
- 音声を文字にする機能か
- 文字を要約する機能か
- 書類の項目へ情報を配置する機能か
- 過去記録を参照する機能か
- 書類間で情報を連携する機能か
- 誤りや抜けを示す機能か
- 人が修正した内容をどのように扱うか
また、「2分で作成」などの数字を見るときは、AI処理だけの時間か、職員による確認・修正を含む総時間かを確認します。
個人情報・AI学習の比較で聞く質問
障害福祉の記録には、障害、病歴、生活状況などの要配慮個人情報が含まれる可能性があります。契約前に各社へ同じ質問を送り、回答を書面で保存することをおすすめします。
- 利用者情報や面談音声を、外部の汎用AIモデルの学習に使いますか
- サービス改善のために利用するデータは何ですか
- 匿名化と仮名化をどのように区別していますか
- 音声、文字起こし、生成文書の保存期間は何日ですか
- 保存先と処理国はどこですか
- 再委託先・クラウド・AI提供者はどこですか
- 契約終了後、バックアップを含めていつ削除されますか
- 多要素認証、職員権限、操作ログはありますか
- 漏えい等が起きた場合、何時間以内に連絡されますか
- データを一般的な形式で出力できますか
「AI学習には使いません」という一文だけでなく、外部AIへの送信、ログ保存、サービス改善利用、委託先まで確認することが重要です。
デモで使う評価シート
各項目を5点満点で評価し、現場職員、管理者、請求担当で採点します。
| 評価項目 | 配点 | 確認方法 |
|---|---|---|
| 最も重い業務を減らせる | 5 | 実際の業務を一連で操作 |
| 対応書類・サービス種別 | 5 | 現在使う帳票一覧と照合 |
| 操作の分かりやすさ | 5 | ITが苦手な職員も操作 |
| AI下書きの確認しやすさ | 5 | 元音声・記録と照合 |
| 記録・実績・請求の連動 | 5 | 二重入力箇所を確認 |
| 個人情報・AI学習の透明性 | 5 | 書面回答と契約条項を確認 |
| 導入・運用サポート | 5 | 研修、窓口、対応時間を確認 |
| 総費用 | 5 | 3年間の総額で比較 |
| データ移行・解約 | 5 | 移行範囲と出力形式を確認 |
| 現場の納得感 | 5 | 利用予定職員の評価 |
合計点だけで決めず、「個人情報・AI学習」が3点未満の製品は追加確認するなど、必須条件を設けてください。
よくある質問
障害福祉ソフトは月額料金だけで選んでもよいですか
月額だけでは判断できません。初期設定、データ移行、ユーザー数、事業所追加、AI利用量、請求、帳票追加、研修、保守などを含む3年間の総費用で比較してください。同時に、削減できる時間と現在契約している他サービスの解約可否も確認します。
AI機能があれば、個別支援計画書を自動で完成できますか
AIが作成するのは確認前の下書きと考えるのが安全です。本人の希望、事実、目標、支援方針を職員が確認し、事業所の手順に従って承認します。
国保連請求機能があれば、すべてのサービスで請求できますか
製品や契約プランによって対応サービスが異なる場合があります。同じ製品でも、就労継続支援B型には対応していて、相談支援は別機能・別契約という場合があります。自事業所のサービス種別を明示して確認してください。
クラウド型とオンプレミス型はどちらがよいですか
クラウド型は場所を選ばず利用しやすく、サーバー管理を事業所側で行わない構成が一般的です。オンプレミス型は自法人のネットワークや運用方針に合わせやすい一方、保守体制が必要です。法人のセキュリティ方針、拠点数、外出先利用、災害対策を踏まえて選びます。
比較表だけで製品を決められますか
比較表は候補を絞るためのものです。最終判断では、匿名化した実際に近いデータ、自事業所の帳票、現場職員による操作、契約書とデータ取扱いの確認が必要です。
まとめ
障害福祉ソフト選びで大切なのは、「最も機能が多い製品」を選ぶことではありません。
面談後の書類作成に追われているなら、AI下書きの実用性を確認する。AIで作った書類を既存ソフトへ転記しているなら、AI、記録、実績、請求が一体になった統合型を確認する。紙の交付が負担なら、電子サインとメール交付を確認する。複数拠点を管理するなら、権限、ネットワーク、サポートを確認する。
そして、どの製品を選ぶ場合も、利用者情報がどのように保存・処理されるか、人がどこで確認するかを曖昧にしないことが重要です。
製品の強みと、自事業所の課題が重なる場所を探す。それが、失敗しにくい障害福祉ソフトの選び方です。
面談から記録・請求までの業務をまとめたい方へ
AURAでは、実際の画面を見ながら、面談音声から書類の下書きを作り、人が確認し、記録・実績・請求へつなげる流れを確認できます。AURA相談支援の国保連請求機能は現在開発中です。
比較に使用した各社公式情報
AURA
knowbe
かべなしクラウド
ほのぼのmore
編集方針
本記事は、株式会社Jinが2026年7月14日時点の各社公式公開情報を確認して作成しました。AURAの機能・開発状況は、株式会社Jinへの確認と公開中の導入事例も基準にしています。順位付け、広告出稿額、紹介料による評価は行っていません。他社製品について公開情報で確認できない内容は「要問い合わせ」と記載しています。誤りや更新情報がある場合は、株式会社Jinまでお知らせください。確認後、速やかに修正します。

