福岡市でIT特化型の就労支援事業所を運営する、一般社団法人障がい者雇用支援機構『てとて』。「支援者と利用者が手と手を取り合い、互いに成長する」という理念を掲げる彼らは、なぜ福祉AI『AURA(オーラ)』の導入を決めたのか。サービス管理責任者の宇留嶋氏と職員の山本氏に、AURAがもたらした業務効率化のリアルな効果、そして「支援員が心から楽しむこと」が利用者の成長に不可欠だと語る、その独自の支援哲学について、株式会社Jinの小川が話を聞いた。
「手と手を取り合う」——事業所名に込められた、支援の原点
小川(Jin)
まずは、てとてさんという事業所の名前の由来からお聞きしてもよろしいですか?
てとて公式HP。てとては、福岡市のIT特化型就労支援事業所。Web制作やデザイン、動画編集など、利用者の「好き」を仕事に繋げるための実践的なスキル習得をサポートする。
宇留嶋(てとて)
それが、一番ハードル高いとこから来ましたね(笑)。もともと代表の中村が考えて作ったんですが、本人に「どういう理由で作ったんですか?」って聞いたら、「忘れてん」って言われまして。
一同
(笑)
宇留嶋(てとて)
ただ、「てとて」っていう名前の事業所は、保育園とか他の福祉サービスでも全国にたくさんあるんです。その多くに共通しているのが、「手と手を取り合って」という意味合いなんですよね。代表がよく言う「社会全体の幸福度の濃度を上げる」という言葉と結びついているのかなと。手と手を結んで、みんなが幸せになる社会を目指す。そういうところからの「てとて」かなと、僕は解釈しています。
小川(Jin)
「手と手を取り合う」というのは、支援する側とされる側という一方的な関係ではない、ということですよね。
山本(てとて)
まさに。僕たちは利用者さんを支援する立場ではありますが、あくまで僕たちが得意なことで、利用者さんの苦手な部分を補っているだけ。逆に、僕たちが苦手で、利用者さん側が得意なことって、むちゃくちゃあるんです。だから、本当にお互いに刺激をもらって、補い合って過ごしている対等な関係だと思っています。
宇留嶋(てとて)
まさしくその通りで。僕も利用者さんに教えられることって、すごくたくさんあるんですよ。この仕事を10年以上やってきても、それはずっと感じますね。「僕ができないことを、この人たちはめちゃめちゃ得意だ」とか、「すっごいな」って思うことが、本当に毎日あります。
サービス管理責任者の宇留嶋氏(左)と職員の山本氏(右)
「僕らにできることは、ほぼない」——利用者への絶対的な信頼から生まれる支援
てとての思想は、支援の現場でどのように実践されているのだろうか。そこには、利用者の能力を信じ抜く、彼らならではの哲学があった。
宇留嶋(てとて)
以前、うちに入ってきた利用者さんで、僕から見て「この人は能力が高すぎるがゆえに、周りが彼のことを理解できていないんだろうな」と感じる方がいたんです。その時、僕らが彼にできることって、実はほぼないなと思ったんです。むしろ、彼の方から「僕らにどういうことをしてほしいか」を言ってもらって、僕らが「ああ、そこだったら分かるかも」という部分をサポートする。そういう関わり方をしてきました。
小川(Jin)
まさに、利用者さん主体の支援ですね。
宇留嶋(てとて)
「どうしたい?」「ああ、こうしたい」「分かった。じゃあ、こうしたらいいよ」。本当にそれだけ。パッと見はすごく雑に見えるかもしれないですけど、結局、福祉が目指すことって、そういうことだと思うんです。その人の強みを伸ばして、苦手なところは少しサポートする。
小川(Jin)
他にも、印象的な利用者さんとのエピソードはありますか?
宇留嶋(てとて)
デザイン会社に入りたい、という夢を持って入ってきた方がいました。デザインのスキルは全部独学で身につけていて、さらにスキルアップするためにてとてを使いたい、と。でも、僕には教えられることが1個もないわけじゃないですか(笑)。
小川(Jin)
そんなことないと思いますけど(笑)。
宇留嶋(てとて)
いや、俺は何もできんし、と(笑)。でも、周りのスタッフたちの力で、その方はどんどんスキルを上げていきました。そんな時、たまたま挨拶回りで繋がっていた会社から、「デザイン会社から求人が出たんだけど、やりたい人いないかな?」と相談があったんです。その瞬間に「います!すごいのがいます!」って。
一同
(笑)
宇留嶋(てとて)
そこから話はトントン拍子で進んで、その方は無事にデザイン会社に就職していきました。利用者さんが本当にやりたいことを見つけて、その思いを叶えていく。その過程に関われたのは、すごく嬉しい経験でしたね。
「助けてください」が言えるチーム
個の力を信じるてとての支援は、スタッフ同士の強固な信頼関係によって支えられている。サービス管理責任者としてチームを率いる宇留嶋氏の口から語られたのは、意外なほどシンプルで、しかし本質的なリーダーシップ論だった。

宇留嶋(てとて)
ある日、利用者さんから「宇留嶋さんは頼る人いないの?」って言われたことがあるんです。その時、ちょっと泣きそうになったんですけど(笑)。
小川(Jin)
それは、ぐっときますね。
宇留嶋(てとて)
福祉の業界って、スタッフを一定の基準に揃えようと教育するところがあるんです。「これができるようになりなさい」と。でも、僕はうちのスタッフに「しなくていい」って言ってるんですよ。僕が好きでやってることを、君がやりたいならやればいい。やりたくないなら、やらなくていい。それはお互いに埋め合えばいいだけだから、と。僕が分からないことは君たちが分かるだろうし、君たちが分からないことで僕が知ってることがあれば教える。「それでチームでしょ」って。
小川(Jin)
まさに、スタッフ同士も手と手を取り合っている、ステキなチーム体制ですね。
宇留嶋(てとて)
だから、「僕、分かりません。助けてください」っていうのを、当たり前に言います。「○○さん!無理!分からん!変わって!」って平気で言いますね(笑)。
一同
(笑)
小川(Jin)
それはなかなか勇気がいることだと思います。
宇留嶋(てとて)
でも、無理なもんは無理なんで。そういう無理な部分を埋め合ってやるからこそ、チームでやる意味があると思っています。
「人を大事にするからこそ、AIは必須」——抵抗感ゼロの背景にある徹底した合理主義
福祉の現場では、まだAIの導入に心理的なハードルを感じる人も少なくない。しかし、てとての二人は「むしろ、なぜ使わないのか」と問いかける。その背景には、徹底した効率化と「人間にしかできないこと」への強いこだわりがあった。
小川(Jin)
福祉の現場では、AIを導入することに抵抗を感じる方も少なくないと思うのですが、お二人はどうでしたか?
山本(てとて)
うちはだいぶ特殊かもしれないですけど、AURAを知る1年くらい前から、何かしらのAIを使ってコストカットするということをやっていたので、抵抗感はだいぶ少なかったです。
小川(Jin)
やはり、元から「メンバーさんとの時間を最大化する」という目標が明確だったからこそ、「人を大事にするためにAIは必須だ」という考えに至ったわけですね。
山本(てとて)
そうです。例えば、面談で「宇留嶋さんだからこそ話せた」という内容があったとして、それを他のスタッフに共有するために、また宇留嶋さんの時間を割くのはもったいない。録音してAURAで議事録を作っておけば、誰でも内容を確認できる。絶対に機械が入らないと、あまりにも無駄が多すぎるんです。
宇留嶋(てとて)
確かに、僕らの世代やそれより上の世代は、まだAIに抵抗があるかもしれない。でも、今現場の主力として頑張っている20代、30代の子たちは、こういうツールをすんなり受け入れてくれるんです。彼らに「これ、めっちゃ良くない?」って伝えて、その子たちの声によって組織全体が変わっていってくれたらいいな、と思っています。AIの良ささえ分かれば、使いたいと思う人の方が圧倒的に多いと信じています。
「AIが作る“8割のたたき台”」——現場が熱狂する現実的な価値
福祉AI『AURA』の導入によって、現場は着実に変わり始めている。特に宇留嶋氏が「現実的にめちゃくちゃ助かる」と語るのが、AIによる書類作成のサポート機能だ。
小川(Jin)
業務を効率化する手段として、AURA以外のツールを導入する選択肢もあったと思いますが、特に「AURAがいいな」と思っていただいた理由は何でしたか?
宇留嶋(てとて)
最初に聞いたときに「マジですごいな!」と思ったのは、会話の録音データから個別支援計画書やモニタリングシートが作れる機能でした。サービス等利用計画と照らし合わせながら目標を作ってくれたりして。
小川(Jin)
なるほど。
宇留嶋(てとて)
ただ、AIが100%の完成形の書類を作ってくれるのは、正直難しいのかなと思っていて。でも、8割とか7割のたたき台を作ってくれるだけで、めちゃくちゃ助かるんですよ。
小川(Jin)
ゼロから作る手間がなくなるだけでも、大きいですよね。
宇留嶋(てとて)
そうなんです。AURAが7~8割作ってくれるおかげで、残り2割を仕上げるだけになる。それだけで7~8割の時間が浮くわけです。その時間に別のことができる。ここまで作ってくれるんだったら、本当に助かる!って思いますね。イメージとしては「ここまでは作っておきました!あとはお願いします!」って言ってくれる人がいるみたいな(笑)。
小川(Jin)
宇留嶋さんは、「あとは任せとけ!」と(笑)。
宇留嶋(てとて)
はい(笑)。「たたき台を作るAI」と「仕上げる人」という役割分担をちゃんと分かっていると、AURAのような仕組みはうまく使えると思います。

山本(てとて)
少し前に、新人のサービス管理責任者が「利用者さん全員と月に1回は面談がしたいけど、書類が溜まってて時間が作れない。困った」と宇留嶋さんに相談してきたことがありました。
宇留嶋(てとて)
面談の中で利用者さんの想いを聞く力はすごくある人なんですけど、それをまとめるのが少し苦手で。
山本(てとて)
その結果、別の職員に書類作成を全部任せていたんです。録音と文字起こしと過去のデータを渡して、作成してもらった書類をサビ管が確認する、という流れができていました。でも、それだと書類作成を任された職員の時間がもったいないじゃないですか。
小川(Jin)
できれば、利用者さんとの会話にも時間を使ってほしいですよね。
山本(てとて)
そこで、その「任されていた職員」の役割をAURAが担ってくれるようになって、職員の時間を利用者さんとの対応に使えるようになったんです。結果としてサビ管の時間も職員の時間も浮いたことになるので、「アシスタントが代わりに入ってくれた」という感覚でした。
宇留嶋(てとて)
本当にそう。まさにそれ。
山本(てとて)
言ってみれば、「つるちゃん(その職員の愛称)が、機械に変わった」みたいな。
宇留嶋(てとて)
本当だ、つるちゃんが機械になったんだ(笑)。
一同
(笑)
山本(てとて)
書類作成する部下が人間から機械に置き換わったので、単純に人一人分の手が浮きました。
小川(Jin)
しかも、教育しなくていい部下ですもんね。最初からある程度賢くて、草案も十分な質のものを作ってくれる。
山本(てとて)
そうです。それだけでなく、人にお願いするにはどうしても「お願いする」っていうコミュニケーションコストがかかりますし、それがちょっと苦手な職員もいるんです。AURAなら、それらを全部自分だけで完結できるので、効率化とはまた違うストレスの削れ方もあったみたいです。
「PDF読み込み」が無敵の機能。スイッチングコストの壁を壊す
新しいシステムを導入する際、既存のデータを移行したり、業務フローを合わせたりする「スイッチングコスト」は大きな障壁となる。特に、長年の紙文化が根付く福祉業界ではなおさらだ。しかし、宇留嶋氏はAURAの“ある機能”がその壁を打ち破ると熱弁する。
小川(Jin)
新しいツールを入れると、既存のやり方を変えたり、データを移行したりする「スイッチングコスト」が大変だという話をよく聞きます。AURAの導入ではいかがでしたか?
宇留嶋(てとて)
そこは、AURAのPDFを読み込む機能が解決してくれます。あれはもう、無敵の機能です。
小川(Jin)
無敵(笑)。
宇留嶋(てとて)
他のソフトを使っている他の事業所の相談員さんも、皆データ移行がすごく大変だと言っています。でもAURAは、どんな書類も一度PDFにしてしまえば、簡単な操作で読み込んでくれる。過去5〜10年分の紙の記録も、スキャンしてPDFにして読み込ませれば、それだけでデータ化が完了する。これができるのが、本当に強いと思います。
小川(Jin)
導入した後の業務は、どうですか?本当に細かいところまでお二人からフィードバックを頂いていますが、実際に使いやすくなっていますか?
山本(てとて)
めちゃくちゃ使いやすくなってます。
宇留嶋(てとて)
ああしてほしい、こうしてほしいって、散々文句言ったんで(笑)。
一同
(笑)
山本(てとて)
ただ、まだ導入して1〜2ヶ月なので、正直まだ使い慣れないところもあります。もし全社員がこれを一気に触り始めるとしたら、慣れるまでに時間はかかるだろうな、とは思いますね。でも、それを超える業務効率化の効果が見えているので、社内用のマニュアルを作りながら、なんとかやっていこうかなと。
小川(Jin)
ありがとうございます。そういったご意見をいただけるのが、本当にありがたいです。
山本(てとて)
そもそも、導入の前提として「使いにくかったら言ってください。どうにかします」というスタンスでいてくれるのが、すごくありがたいんです。他の福祉サービスだと、なかなかそうはいかない。だから、僕らも「もっとこうなったらいいな」という理想を、遠慮なくぶつけさせてもらっています。
支援員が輝く時間を創り出す。AIが拓く、福祉の未来
インタビューの最後に、話題は福祉業界全体の未来へと広がっていく。AURAのような福祉AIが普及することで、現場はどう変わっていくのか。まず宇留嶋氏が語ったのは、業界全体の情報連携という大きなビジョンだった。
小川(Jin)
最後に、福祉業界のDXについて、今後の展望をお聞かせください。
宇留嶋(てとて)
理想を言えば、相談支援事業所から就労支援事業所、そして役所まで、全部のデータがシームレスに繋がるといいですよね。相談員さんが作った計画書やモニタリングの記録が、僕らの事業所でもリアルタイムで見れるようになれば、もっと利用者さんのことを深く理解できる。
小川(Jin)
情報連携の壁は、業界全体の大きな課題ですよね。
宇留嶋(てとて)
そうなんです。今は、利用者さんの様子を知れるのが3ヶ月に1回、とかですからね。その人が今どんな状況で、どんな支援を受けているのかを知りたい。そういう情報が、AURAのようなプラットフォーム上で共有されるようになれば、もっと質の高い支援が提供できるはずです。
山本(てとて)
福祉版の電子カルテみたいなものができたら、本当に最強ですよね。
宇留嶋(てとて)
そう。人が関わるべき時間には、人がものすごく力を注ぐ。そうじゃなくてもいい時間は、AIがしっかりやってくれる。それぞれの強みを最大限に生かせる環境を作っていくことが、これからの福祉には必要不可欠だと思います。
そして、テクノロジーによる効率化は、最終的に「人の幸福」へと繋がらなければ意味がない。山本氏は、支援の現場における最も大切な原則を、自身の言葉で語ってくれた。
山本(てとて)
AURAの理念の一つに「利用者さんとの時間を作る」というのがあると思うんですけど、僕からすると、それと同じくらい「支援員の心の余裕」、つまりプライベートで楽しめる時間を確保することが大事だと思っています。
小川(Jin)
と言いますと?
山本(てとて)
楽しそうな支援員がいないと、利用者さんが見てて楽しいと思うわけがないんですよ。これから就労を目指そうという人たちがいる場所で、目の前で働いている支援員が暗い顔をしていたら、「ここを卒業して、どうやって楽しく仕事ができるんだ?」って不安になっちゃうじゃないですか。
宇留嶋(てとて)
間違いない。
山本(てとて)
結局、何が楽しくないかって言われたら、楽しくないことをしてる時間があるから楽しくない。結局、それに尽きると思うんです。だから、そもそも支援員側が、福祉という仕事そのものを楽しめる環境を作ることが、巡り巡って利用者さんのためにもなる。そのために、面白くないけどやらなきゃいけなかった仕事をAIが肩代わりしてくれる。その意味は、すごく大きいと思います。
小川(Jin)
支援員の方々が心から楽しむことが、巡り巡って利用者さんのためになる…。まさに、私たちがAURAを通して実現したい世界そのものです。
本日は貴重なお話をありがとうございました。引き続き、もっともっとより良いサービスを目指していきますので、末永くよろしくお願いします。


記事執筆:AIアシスタント Jonathan
記事執筆AI
最新技術で正確かつ魅力的なコンテンツをお届けします。


