障害支援区分とは|区分1〜6の目安・認定調査・申請の流れ・有効期間

公開日:2026/10/29

障害支援区分とは|区分1〜6の目安・認定調査・申請の流れ・有効期間

障害支援区分とは、障害のある人に必要な標準的な支援の度合いを、非該当と区分1〜6の7段階で示すものです。市町村が認定調査と医師意見書をもとに、市町村審査会の判定を経て認定します。

この記事では、法令上の定義、区分1〜6の目安と全国の判定実績、区分によって使えるサービス、障害者手帳・要介護度との違い、申請から認定までの流れ、認定調査80項目の内容、一次判定と二次判定、有効期間と区分の変更、相談支援の実務での使い方を、厚生労働省とe-Gov法令検索の一次情報をもとに整理します。

目次

  1. 障害支援区分とは(法令上の定義)
  2. 区分1〜6の目安と全国の判定実績
  3. 区分によって利用できるサービス
  4. 障害者手帳・要介護度との違い
  5. 申請から認定までの流れ
  6. 認定調査の内容(80項目と概況調査)
  7. 一次判定と二次判定(市町村審査会)
  8. 有効期間・区分の変更・結果に不服があるとき
  9. 相談支援の実務での使い方
  10. 書類業務の負担を減らす(AURAの使い方・事例)
  11. よくある質問
  12. 関連記事
  13. 参考資料

障害支援区分とは(法令上の定義)

障害支援区分は、障害者総合支援法(障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律)第4条第4項で、「障害者等の障害の多様な特性その他の心身の状態に応じて必要とされる標準的な支援の度合を総合的に示すもの」として省令で定める区分とされています(e-Gov法令検索:障害者総合支援法)。

区分は、支援の度合いが低い順に「非該当」「区分1」〜「区分6」の7段階です。区分6が最も多くの支援を必要とする状態を示します(厚生労働省「障害者総合支援法における障害支援区分の概要」)。

以前は「障害程度区分」という名称でしたが、障害の重さではなく必要な支援の度合いを示す区分であることが分かりにくいとして、平成26年(2014年)4月から現在の名称・定義に改められました。あわせて、知的障害・精神障害の特性が反映されにくいという課題を受けて、認定調査の項目や評価の考え方も見直されています(厚生労働省「障害支援区分に係る研修資料<共通編>」)。

研修資料では、「障害の程度(重さ)」と「必要とされる支援の量」は同じではないと説明されています。たとえば、重度の障害で入浴できない人も、自分で入浴できても行為が不十分で全面的にやり直しが必要な人も、支援の度合いは同じ「全面的な支援が必要」と評価されます。

区分1〜6の目安と全国の判定実績

区分は、認定調査と医師意見書から算定した点数をもとに、省令の基準に照らして判定されます(障害支援区分に係る市町村審査会による審査及び判定の基準等に関する省令)。ただし、厚生労働省の研修資料では、各区分や判定の条件式は「障害種別や症状等の状態」を示すものではないとされています。そのため、「区分3なら〇〇ができない」といった公式の状態像の一覧はありません。

目安として、令和6年10月〜令和7年9月に全国で行われた二次判定の結果は次のとおりです(厚生労働省「障害支援区分の審査判定実績」)。

障害支援区分の二次判定結果(全国、令和6年10月〜令和7年9月)
区分件数割合
非該当35件0.0%
区分14,425件1.5%
区分258,263件19.6%
区分364,748件21.8%
区分456,071件18.9%
区分542,591件14.3%
区分670,704件23.8%
合計296,837件100.0%

区分2〜6がそれぞれ1〜2割台を占め、区分6が最も多くなっています。障害種別ごとの内訳も同じ資料で公表されており、たとえば身体障害では区分6が45.0%を占めます。

実務で「区分がどのくらいか」を考えるときは、状態像よりも、次の章のようにどのサービスの利用要件を満たすかで捉えると分かりやすくなります。

区分によって利用できるサービス

障害支援区分の認定が必要になるのは、主に介護給付(居宅介護、生活介護など)を利用する場合です。訓練等給付は、共同生活援助(グループホーム)で入浴・排せつ・食事などの介護を伴う場合を除き、区分にかかわらず利用できます(研修資料<共通編>、e-Gov法令検索:障害者総合支援法施行令 第10条)。

主なサービスの対象者(区分の要件)は次のとおりです(厚生労働省「障害福祉サービスの内容」)。

主なサービスと障害支援区分の要件
サービス区分の要件(概要)補足
居宅介護区分1以上通院等介助(身体介護を伴う)は区分2以上などの要件あり
短期入所(福祉型)区分1以上医療型は対象者の別の定めあり
生活介護区分3以上(施設に入所する場合は区分4以上)50歳以上は区分2以上(入所は区分3以上)
施設入所支援生活介護の利用者で区分4以上50歳以上は区分3以上
行動援護区分3以上行動関連項目等(12項目)の合計10点以上
重度訪問介護区分4以上二肢以上の麻痺等、または行動関連項目等10点以上
療養介護区分6(人工呼吸器による呼吸管理)または区分5以上区分5以上は重症心身障害者などの要件あり
重度障害者等包括支援区分6意思疎通に著しい困難がある人のうち一定の状態像
同行援護区分の認定は不要同行援護アセスメント調査票で判断
就労移行支援・就労継続支援A型/B型・自立訓練など区分にかかわらず利用可訓練等給付

このほかにも利用要件・加算要件・経過措置があるため、個別の判断は各種の規程と市町村の支給基準で確認してください。なお、障害児には障害支援区分の認定は行われず、サービスによっては「区分に相当する支援の度合」で判断されます。

障害者手帳・要介護度との違い

障害支援区分は、障害者手帳の等級や介護保険の要介護度と混同されやすい仕組みです。違いを整理すると次のようになります(研修資料<共通編>)。

障害支援区分・障害者手帳・要介護度の違い
項目障害支援区分障害者手帳の等級要介護度(介護保険)
示すもの必要とされる標準的な支援の総合的な度合い障害の種類・程度介護の手間(介護の時間)の総量
段階非該当、区分1〜6手帳の種類ごとの等級・判定非該当、要支援1〜2、要介護1〜5
主な使われ方障害福祉サービス(主に介護給付)の支給決定各種の福祉制度・割引・雇用率の算定など介護保険サービスの利用
できたりできなかったりする場合「できない状況」に基づき評価―「より頻回な状況」に基づき評価

概況調査票には手帳の等級を記入する欄がありますが、手帳の等級がそのまま区分になるわけではありません。同じ等級でも、生活上の支援の必要度によって区分は異なります。

申請から認定までの流れ

障害支援区分の認定は、障害福祉サービスの支給申請の中で行われます。法と施行令、研修資料に沿うと、流れは次のとおりです(障害者総合支援法 第20条〜第22条、施行令 第10条)。

  1. 市町村へ支給申請:本人(障害児の場合は保護者)が市町村の障害福祉の窓口に申請します。
  2. 認定調査:市町村の職員などが本人に面接し、心身の状況や置かれている環境を調べます。市町村は調査を指定一般相談支援事業者などに委託できます(第20条第2項)。
  3. 医師意見書の取得:市町村が主治医などに医師意見書の記載を依頼します。
  4. 一次判定:認定調査の結果と医師意見書の一部項目をもとに、判定ソフトで一次判定を行います。
  5. 二次判定:市町村審査会が、特記事項や医師意見書の内容を総合的に勘案して区分を判定します。
  6. 認定と通知:市町村が審査会の判定結果に基づいて区分を認定し、本人に通知します(施行令第10条第3項)。
  7. サービス等利用計画案の提出・支給決定:市町村は、区分、介護者の状況、本人の意向などを勘案して支給の要否と支給量を決め、受給者証を交付します(第22条)。

サービス等利用計画案は、指定特定相談支援事業者の相談支援専門員が本人と相談しながら作成するのが一般的です。受給者証や計画案の詳細は、関連記事も参考にしてください。

認定調査の内容(80項目と概況調査)

認定調査では、「概況調査票」と「認定調査票」が使われます(厚生労働省「障害支援区分認定の実施について」)。概況調査票では、手帳の等級、現在受けているサービス、外出の頻度、就労の状況、日中活動、介護者、住まいなどを聞き取ります。

認定調査票の項目は、次の5群・80項目です(障害支援区分の概要)。

障害支援区分の認定調査項目(80項目)
群項目数主な項目
移動や動作等12寝返り、起き上がり、移乗、歩行、移動、衣服の着脱、えん下など
身の回りの世話や日常生活等16食事、入浴、排尿・排便、薬の管理、金銭の管理、調理、買い物、交通手段の利用など
意思疎通等6視力、聴力、コミュニケーション、説明の理解、読み書き、感覚過敏・感覚鈍麻
行動障害34感情が不安定、支援の拒否、こだわり、集中力が続かない、対人面の不安緊張、意欲が乏しいなど
特別な医療12点滴の管理、透析、酸素療法、経管栄養、カテーテルなど

各項目は「支援が不要」「見守り等の支援が必要」「部分的な支援が必要」「全面的な支援が必要」や、行動障害であれば「希に支援が必要」〜「ほぼ毎日(週に5日以上の)支援が必要」といった選択肢で評価され、項目ごとに特記事項を書く欄があります。研修資料では、日常生活に関する項目は普段過ごしている環境ではなく「自宅・単身の生活」を想定して評価すること、見守りや声かけで行為ができる場合も評価に含めることが示されています。

調査を受けるときに伝えたいこと

認定調査は、普段の生活で必要な支援を把握するためのものです。調査の場では、緊張して普段よりできるように振る舞ってしまうこともあります。次のような点を、本人・家族・支援者で事前に整理しておくと伝えやすくなります。

  • できる日とできない日がある行為と、その頻度
  • 声かけや見守りがあればできること、やり直しが必要なこと
  • 行動面で困っている場面と、そのときの支援の内容
  • 通院・服薬の状況、主治医の情報

特記事項は二次判定の重要な材料になるため、具体的な場面や頻度を伝えることが大切です。

一次判定と二次判定(市町村審査会)

一次判定は、認定調査の80項目と医師意見書の一部項目を使ったコンピュータ判定です。研修資料によると、平成21〜23年度の約14,000件の認定データから、申請者と同じ状態像の人の二次判定結果を抽出し、最も確率の高い区分を一次判定結果とする仕組みです(研修資料<共通編>)。

二次判定では、市町村審査会がまず一次判定に使った項目と特記事項・医師意見書に矛盾がないかを確認し、一次判定を確定させます。そのうえで、特記事項や医師意見書の内容から、一次判定の区分よりも多い(少ない)支援が必要かを検討して区分を決めます。研修資料では、市町村審査会は審査判定の最終判断を委ねられた機関であり、認定調査や医師意見書以外の情報で審査したり、定められたプロセスから外れたりすると公正・中立・客観性が損なわれると説明されています。

令和6年10月〜令和7年9月の実績では、一次判定より上位の区分に変更された割合は4.2%、下位に変更された割合は0.3%でした(障害支援区分の審査判定実績)。

医師意見書の役割

医師意見書は、市町村が主治医または市町村が指定する医師に記載を依頼するもので、一部の項目は一次判定に、残りの項目と特記事項は二次判定に使われます。意見書を書いた医師は、同じ申請の認定調査を行うことはできません(障害支援区分認定の実施について)。記載のポイントは、厚生労働省の「医師意見書記載の手引き」で公開されています。

有効期間・区分の変更・結果に不服があるとき

厚生労働省の市町村審査会委員マニュアルでは、障害支援区分の認定の有効期間は3年間とされています。障害の状態が6か月〜1年程度で変動しやすいと考えられる場合などは、審査会の意見を踏まえて3か月以上の範囲で短く設定できます。初回の認定は、市町村の事務を平準化するため、3年6か月までの範囲で市町村が有効期間を定めます(厚生労働省「市町村審査会委員マニュアル」)。

有効期間の途中で状態が大きく変わった場合は、支給決定の変更を申請できます。市町村は支給決定の変更を行うにあたって必要があると認めるときは、障害支援区分の変更の認定を行うことができます(障害者総合支援法 第24条)。

市町村の介護給付費等に係る処分に不服がある場合は、都道府県知事に審査請求ができます(同法第97条)。審査請求は、処分があったことを知った日の翌日から3か月以内に、文書または口頭で行います(同法第101条)。具体的な手続きは、通知書の教示欄や都道府県・市町村の窓口で確認してください。

相談支援の実務での使い方

相談支援専門員にとって、障害支援区分は計画作成と更新管理の基本情報です。受給者証には、支給量や支給決定の有効期間とあわせて障害支援区分が記載されます(e-Gov法令検索:障害者総合支援法施行規則 第14条)。

相談支援で障害支援区分を確認する場面
場面確認することよくある誤り
計画案の作成希望するサービスの区分要件を満たすか区分の要件を確認せずに生活介護などを計画に入れる
更新の準備区分の有効期間と支給決定の有効期間の満了日区分の更新に必要な調査の期間を見込まずに更新が遅れる
状態が変わったとき入退院や生活環境の変化で必要な支援が変わっていないか有効期間の満了まで待ち、必要なサービスを追加できない
アセスメント認定調査の結果と面談で把握した生活の様子の違い区分の数字だけで支援の必要度を判断する

区分はあくまで「標準的な支援の度合い」です。計画では、本人の希望する生活や環境を踏まえて、区分だけでは見えない支援の必要性を具体的に書くことが求められます。

自治体の認定業務とAIの活用

自治体側でも、認定調査の記録整理や審査会資料の作成は事務負担の大きい業務です。株式会社Jinは2026年8月20日に和歌山市と連携協定を締結し、AURA行政支援として、障害支援区分の認定調査と審査会資料作成業務にAIを活用する実証実験を進めています(AURA行政支援)。法令上、区分の判定は市町村審査会が、認定は市町村が行うため、AIは記録や資料づくりを支える位置づけになります。

書類業務の負担を減らす(AURAの使い方・事例)

区分の更新時期には、アセスメントの見直し、サービス等利用計画案、モニタリング報告書などの書類が重なります。認定調査票や前回のアセスメントなど、読み込む資料が多いほど、情報整理と文章化に時間がかかります。

AURA相談支援は、計画相談支援・障害児相談支援の事業所向けの障害福祉AIです。面談音声や資料から、アセスメント、サービス等利用計画案、モニタリング報告書、支援経過記録などの下書きを作成します。今お使いのExcel様式を取り込んで書類を作ることもできます。AIの出力はあくまで下書きで、区分やサービスの要件との整合を含め、内容の確認と最終判断は相談支援専門員が行います。面談音声は保存開始から7日経過後に削除対象となり、最大8日程度で削除されます。書類作成の負担を減らし、利用者支援に時間を使いやすくすることを目指しています。

導入事例:認定調査票を生かしてアセスメントを作り直す

計画相談と市の委託による一般相談を担当する山下さんは、区分がつく方の認定調査票の内容をAURAに読み込ませ、前回のアセスメントも合わせて、現在の状態に合わせたアセスメントの作り直しに活用していると話しています。更新時の計画書・モニタリングは、以前は1時間半以上かかっていた作業が体感で30分ほどになったと語っています(インタビュー全文)。

※インタビューで語られた個別の体験・概数であり、効果を保証するものではありません。

計画の更新や書類づくりを見直したい事業所は、AURA相談支援の資料を受け取るから、使い方や導入事例を確認できます。

よくある質問

区分3はどのくらいの支援が必要な状態ですか?

区分ごとの公式な状態像は示されていません。区分3以上で生活介護(50歳以上は区分2以上)や行動援護の区分要件を満たすなど、利用できるサービスの範囲で捉えると分かりやすくなります。

自分の障害支援区分はどこで確認できますか?

認定後に市町村から届く通知と、障害福祉サービス受給者証で確認できます。受給者証には、支給量や有効期間とあわせて障害支援区分が記載されます。

就労継続支援B型を使うのに障害支援区分は必要ですか?

就労継続支援B型を含む訓練等給付は、区分にかかわらず利用できます。ただし、共同生活援助で入浴・排せつ・食事などの介護を伴う場合は区分の認定が必要です。

障害支援区分の有効期間は何年ですか?

原則3年間です。状態が変動しやすい場合は3か月以上の範囲で短くなることがあり、初回は3年6か月までの範囲で市町村が定めます。

認定された区分に納得できないときはどうすればよいですか?

まず市町村の窓口で認定の理由を確認しましょう。処分に不服がある場合は、知った日の翌日から3か月以内に都道府県知事へ審査請求ができ、状態が変わった場合は区分の変更を相談できます。

参考資料

本記事は2026年10月29日時点の情報です。

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