障害福祉サービス受給者証とは|記載内容・申請の流れ・更新の手続き

公開日:2026/10/24

障害福祉サービス受給者証とは|記載内容・申請の流れ・更新の手続き

障害福祉サービス受給者証とは、市町村が障害福祉サービスの支給決定をしたときに交付する証明書です。サービスの種類・支給量・有効期間・負担上限月額が書かれ、利用者は事業所に提示して契約します。

この記事では、手帳との違い、記載内容、申請の流れ、負担上限月額、更新・変更の手続き、事業所の確認ポイントを、国の資料と法令をもとに整理します。

目次

  1. 障害福祉サービス受給者証とは
  2. 障害者手帳・通所受給者証との違い
  3. 受給者証の記載内容(欄ごとの見方)
  4. 申請から交付までの流れ
  5. 利用者負担と負担上限月額
  6. 有効期間と更新の手続き
  7. 変更・届出・再交付の手続き
  8. 事業所が受給者証で確認すること
  9. 受給者証の情報を計画作成に生かす(AURAの使い方・事例)
  10. よくある質問
  11. まとめ
  12. 関連記事
  13. 参考資料

障害福祉サービス受給者証とは

障害福祉サービス受給者証(以下、受給者証)は、障害者総合支援法にもとづく書類です。市町村は支給決定をしたとき、支給量などを記載した受給者証を交付しなければならないと定められています(障害者総合支援法 第22条第8項)。支給決定を行うのは、原則として障害者または障害児の保護者の居住地の市町村です(同法第19条第2項)。

厚生労働省の事務処理要領は、受給者証を「支給決定を受けていること及びその内容を証する証票」と説明しています。利用者は受給者証を事業所に提示し、市町村が給付費を事業所に直接支払う仕組み(法定代理受領)でサービスを使います(同法第29条第2項、厚生労働省「介護給付費等に係る支給決定事務等の事務処理要領」)。

受給者証が必要になるのは、介護給付(居宅介護、生活介護、短期入所など)と訓練等給付(自立訓練、就労移行支援、就労継続支援、共同生活援助など)のサービスです。障害児が居宅介護や短期入所を使う場合も、保護者に受給者証が交付されます。

移動支援などの地域生活支援事業は市町村ごとの事業で、別の受給者証が交付され、番号も異なることがあります(国保中央会「請求事務ハンドブック」)。

障害者手帳・通所受給者証との違い

受給者証は「どのサービスを、どれだけ、いつまで使えるか」を示すもので、障害者手帳や通所受給者証とは根拠法も役割も異なります。

受給者証・障害者手帳・通所受給者証の比較
項目障害福祉サービス受給者証障害者手帳通所受給者証
根拠法障害者総合支援法手帳ごとに異なる(身体障害者手帳は身体障害者福祉法など)児童福祉法
交付する機関市町村都道府県・指定都市など市町村
示す内容サービスの支給決定の内容障害があること、障害の程度障害児通所支援の給付決定の内容
主な対象サービス居宅介護、生活介護、就労系サービス、共同生活援助など手帳自体でサービスが決まるわけではない児童発達支援、放課後等デイサービスなど

障害者手帳は、身体障害者手帳・療育手帳・精神障害者保健福祉手帳の総称です(厚生労働省「障害者手帳」)。受給者証の申請に手帳は必須ではありません。事務処理要領では、精神障害者は自立支援医療受給者証(精神通院医療)や医師の診断書など、難病等の人は診断書などで対象者かを確認し、障害児は診断名がなくても支援の必要性が認められればよいとされています。

通所受給者証は、児童福祉法にもとづき、市町村が通所給付決定をしたときに支給量や通所給付決定の有効期間などを記載して交付するものです(児童福祉法 第21条の5の7)。事務の詳細や様式例はこども家庭庁が示しています。

受給者証の記載内容(欄ごとの見方)

記載事項は、氏名・居住地・生年月日、受給者証番号、支給量、支給決定の有効期間、障害支援区分、負担上限月額に関する事項などと定められています(障害者総合支援法施行規則 第14条)。厚生労働省が示す標準様式の構成は次のとおりで、見た目は自治体によって異なります。

受給者証の主な欄(厚生労働省の標準様式)
欄(面)書かれていること確認のポイント
基本情報(一面)受給者証番号(10桁)、支給決定障害者等の居住地・氏名・生年月日、障害児の氏名、交付年月日、支給市町村請求で使う受給者証番号・市町村番号と一致しているか
介護給付費の支給決定内容(二面・三面)障害支援区分と認定有効期間、サービス種別、支給量等、支給決定期間区分の有効期間と支給決定期間は別々に管理する
訓練等給付費の支給決定内容(四面)サービス種別、支給量等、支給決定期間、予備欄暫定支給決定期間が予備欄に書かれていないか
計画相談支援給付費の支給内容(五面)支給期間、指定特定相談支援事業者名、モニタリング期間担当の相談支援事業所とモニタリングの月
利用者負担に関する事項(六面)負担上限月額と適用期間、食事提供体制加算の対象かどうか、上限額管理の対象かどうかと上限額管理事業所名負担上限月額の適用期間は支給決定期間と異なることがある
事業者記入欄(七・八・十面)事業者・事業所の名称、サービス内容、契約支給量、提供終了日、終了月の既提供量事業所が契約時に記入する欄

このほか実績記入欄や予備欄・特記事項欄があります。就労移行支援や就労継続支援の支給量は「当該月の日数から8日を控除した日数/月」と記載する例が示されています。見方を公開している自治体もあります(例:堺市「障害福祉サービス受給者証の見方」)。

事業者記入欄の書き方

事業者記入欄は、事業所が受給者証の提示を受け、サービスの種類・区分ごとに番号1から順に契約内容を書く欄です(厚生労働省 事務処理要領)。項目ごとの書き方をまとめます。

事業者記入欄の項目(記入例はすべて架空の事例)
項目書くこと記入例(架空の事例)よくある誤り
事業者及びその事業所の名称指定を受けたときに届け出た名称株式会社サンプル福祉 さくら就労センター略称や通称で書く
サービス内容利用者と契約したサービスの内容就労継続支援B型支給決定されていない種別を書く
契約支給量契約したサービスの1か月あたりの量当該月の日数から8日を控除した日数/月他の事業所との契約分を差し引かずに書く
提供終了日と既提供量その契約支給量での提供を終えたときの終了日と、終了月の終了日までに提供した量令和8年9月30日、20日契約終了時に記入せず、次の事業所が契約できる量がわからなくなる

申請から交付までの流れ

交付までの流れは次のとおりです(厚生労働省「サービスの利用手続き」)。窓口の名称や必要書類は自治体ごとに異なります。

  1. 相談:市町村の窓口や相談支援事業所に相談します。
  2. 支給申請:市町村に申請書を出します(障害者総合支援法 第20条第1項)。対象者であることを確認する書類や、負担上限月額の認定に必要な収入状況の書類などを添えます。
  3. 認定調査:市町村の職員などが面接し、心身の状況や環境を調査します(同条第2項)。
  4. 障害支援区分の認定:介護給付を希望する場合は、調査結果や医師意見書をもとに市町村審査会で審査・判定し、区分1から6の障害支援区分を認定します(同法第21条)。
  5. サービス等利用計画案の提出:市町村の求めに応じて、指定特定相談支援事業者が作成した計画案を提出します。本人や家族などが作る計画案(セルフプラン)を出すこともできます(同法第22条第4項・第5項)。
  6. 支給決定と受給者証の交付:市町村は区分、介護者の状況、利用の意向、計画案などを勘案して支給決定し、支給量を定めて受給者証を交付します(同条第1項、第6項〜第8項)。
  7. 契約と利用開始:事業所に受給者証を提示して契約し、相談支援事業所がサービス等利用計画を作成します。

計画案づくりを担う計画相談支援の仕組みは計画相談支援とは、計画案の書き方はサービス等利用計画の記入例と書き方で詳しく解説しています。

介護給付と訓練等給付では、手続きに次の違いがあります。

介護給付と訓練等給付の手続きの違い
項目介護給付訓練等給付
主なサービス居宅介護、重度訪問介護、生活介護、短期入所など自立訓練、就労移行支援、就労継続支援、共同生活援助など
障害支援区分認定が必要原則として不要(共同生活援助では区分を認定する場合がある)
暫定支給決定なし自立訓練、就労移行支援、就労継続支援A型が対象。2か月以内の期間で利用して適性を確かめる

暫定支給決定は、一定期間利用してその人に合うかをアセスメントする仕組みで、就労継続支援B型や就労選択支援は対象外です(厚生労働省 事務処理要領)。

申請から交付までの日数は全国一律には定められていません。たとえば柏市は、障害支援区分の認定に2〜3か月かかり、聞き取り調査の予約が1か月以上先になることもあると案内しています(柏市「障害福祉サービスの利用申請」)。利用開始を予定している場合は、早めに市町村へ相談しましょう。

利用者負担と負担上限月額

障害福祉サービスの利用者負担には、世帯の所得に応じて4つの区分で負担上限月額が設けられており、上限を超えて負担する必要はありません。ただし、サービス費用の1割相当額のほうが低い場合はその額になります(障害者総合支援法 第29条第3項)。障害者の区分は次のとおりです(厚生労働省「障害者の利用者負担」)。

障害者の負担上限月額
区分世帯の収入状況負担上限月額
生活保護生活保護受給世帯0円
低所得市町村民税非課税世帯0円
一般1市町村民税課税世帯(所得割16万円未満)。入所施設利用者(20歳以上)、グループホーム利用者を除く9,300円
一般2上記以外37,200円

障害児の区分は、こども家庭庁が次のように示しています(こども家庭庁「利用者負担の仕組み」)。

障害児の負担上限月額
区分世帯の収入状況負担上限月額
生活保護生活保護受給世帯0円
低所得市町村民税非課税世帯0円
一般1市町村民税課税世帯(所得割28万円未満)通所施設・ホームヘルプ利用は4,600円、入所施設利用は9,300円
一般2上記以外37,200円

所得を判断する世帯の範囲は、18歳以上の障害者は本人とその配偶者、障害児は保護者が属する住民基本台帳上の世帯です。このほか高額障害福祉サービス等給付費などの軽減策があります。

複数の事業所を使い、ひと月の負担額が上限を超えそうな利用者は、上限額管理を行う事業所を決めて市町村に届け出ます。上限額管理事業所は受給者証の六面に記載されます(国保中央会「請求事務ハンドブック」)。負担上限月額は前年の収入をもとに認定されるため、原則として1年に1回見直されます(厚生労働省 事務処理要領)。

有効期間と更新の手続き

支給決定には有効期間があり、サービスの種類ごとに省令で範囲が決まっています。その範囲内で、市町村が月単位で期間を定めます(障害者総合支援法施行規則 第15条)。

支給決定の有効期間の範囲(主なもの)
サービス有効期間の範囲
居宅介護、重度訪問介護、同行援護、行動援護、短期入所、自立訓練、就労移行支援、就労定着支援、自立生活援助など1か月から12か月
療養介護、生活介護、施設入所支援、就労継続支援、共同生活援助1か月から36か月
就労選択支援1か月または2か月

支給決定日が月の途中の場合は、その月の末日までの期間が加わります。

有効期間が終わった後も同じサービスを使い続けたい場合は、改めて支給申請を行い、市町村が継続の必要性を認めれば支給決定が更新されます。計画案の提出や、必要に応じて障害支援区分の認定も行われます。

何日前までに更新を申請するかは制度上定められておらず、市町村がそれぞれの標準処理期間を踏まえて周知するとされています(厚生労働省 事務処理要領)。柏市では、有効期限の約1か月半前に更新の案内を対象者に郵送しています。

就労移行支援(標準利用期間は原則2年)など標準利用期間があるサービスは、その範囲内で1年ごとに更新します。超える場合は市町村審査会の個別審査を経て、原則1回、最大1年間の更新ができます。

事業所にも、支給決定に通常かかる期間を考えて、有効期間の終了に伴う支給申請を援助する義務があります(指定障害福祉サービス基準 第15条第2項。居宅介護の規定で、他のサービスにも準用)。

変更・届出・再交付の手続き

受給者証の内容が変わる場面ごとに、必要な手続きが異なります。

場面ごとの手続き
場面手続きポイント
支給量を変えたい支給決定の変更申請(障害者総合支援法 第24条、施行規則 第16条・第17条)変更が決まると受給者証を提出し、市町村が記載して返還する
市内での転居、連絡先、世帯や収入の変化申請内容の変更の届出(施行規則 第21条・第22条)届出書に受給者証を添える。負担上限月額が変わることがある
ほかの市町村へ転出転出先の市町村で新たに申請転出元の受給資格は失われ、旧番号では請求できない
紛失・破損受給者証の再交付申請再交付後に見つかった旧受給者証は市町村へ返す
障害児が18歳になる障害者としての受給者証の交付受給者証番号が変わる

新しい種類のサービスが決定されたときも、受給者証への追加記入か新規交付が行われます。他の市町村へ住所を移したときなどは支給決定が取り消され、受給者証の返還が求められます(同法第25条)。

事業所が受給者証で確認すること

事業所は、サービスの提供を求められたとき、受給者証で支給決定の有無、支給決定の有効期間、支給量などを確かめる義務があります(指定障害福祉サービス基準 第14条)。契約したときは、契約支給量などの受給者証記載事項を受給者証に書き、市町村に遅滞なく報告します。契約支給量の総量は、支給量を超えてはなりません(同基準 第10条)。報告には「契約内容(障害福祉サービス受給者証記載事項)報告書」を使います。

受給者証の確認項目
確認項目見る欄タイミング
受給者証番号・市町村番号基本情報(一面)契約時、18歳到達時、転居時
サービス種別と支給量支給決定内容(二〜四面)契約時、変更決定があったとき
支給決定期間と暫定支給決定期間支給決定内容・予備欄毎月、満了が近づいたとき
負担上限月額と上限額管理事業所利用者負担に関する事項(六面)契約時、適用期間の切り替わり

国保中央会のハンドブックは、受給者証を月次で確認するよう勧めています。内容と異なる請求は返戻の原因になります(例はすべて架空の事例です)。

受給者証の確認でよくある誤り(架空の事例)
NG例問題点書き換え例(対応)
18歳になった利用者を、障害児のときの受給者証番号のまま請求した18歳到達で番号の違う受給者証が交付されており、番号が一致しない新しい受給者証を確認し、利用者情報の番号を更新してから請求する
他の事業所との契約を確認せず、決定支給量と同じ日数で契約した契約支給量の合計が支給量を超えてしまう事業者記入欄を見て、決定支給量から既存の契約支給量を引いた範囲で契約する
支給決定期間の満了後も、更新を確認しないまま提供・請求した期間外の請求はエラーとなり、返戻される満了が近い利用者の更新申請の状況を、本人や相談支援専門員に早めに確認する
受給者証に契約内容を書いたが、市町村に報告していない基準で求められる遅滞ない報告ができていない契約内容報告書を作成し、契約や変更のたびに市町村へ提出する

返戻の種類やエラーコードの確認方法は、返戻とはで詳しく解説しています。

受給者証の情報を計画作成に生かす(AURAの使い方・事例)

相談支援専門員にとって受給者証の更新時期は、アセスメント、計画案、モニタリングの書類が重なる時期です。

AURA相談支援は、計画相談支援・障害児相談支援の事業所向けの障害福祉AIです。面談音声や資料から、アセスメント、サービス等利用計画案、モニタリング報告書、支援経過記録などの下書きを作成します。今お使いのExcel様式を取り込んで書類を作ることもできます。AIの出力はあくまで下書きで、受給者証の支給量や期間との整合を含め、内容の確認と最終判断は相談支援専門員が行います。書類作成の負担を減らし、利用者支援に時間を使いやすくすることを目指しています。

導入事例:チームで書類の下地を作る

相談支援専門員の資格取得を進めながら、面談や担当者会議の記録化と書類作成の補助を担う大森さんは、録音データや聞き取り内容があれば、担当者本人でなくても、モニタリングや計画書の「6〜7割の下地」を作れるようになったと話しています。これまで担当者に集中していた書類作成を、チームで支えやすくなる可能性を感じたといいます(インタビュー全文)。

数値はインタビューで語られた個別の体験・概数です。

データの扱いはAURAの機能・セキュリティ・データ取扱いで公開しており、面談音声は保存開始から7日経過後に削除対象となり、最大8日程度で削除されます。

計画作成や更新時の書類づくりを見直したい事業所は、AURA相談支援の資料を受け取るから、使い方や導入事例を確認できます。

よくある質問

受給者証はどこで申請しますか?

居住地の市町村の障害福祉の担当窓口で申請します。

障害者手帳がなくても受給者証は交付されますか?

交付される場合があります。精神障害は自立支援医療受給者証や診断書などで対象者かを確認するとされています。

申請から交付までどのくらいかかりますか?

全国一律の日数はなく、自治体やサービスによって異なります。障害支援区分の認定が必要な介護給付は長くなりやすいため、早めに相談します。

有効期限が切れたらどうなりますか?

給付費は支給決定の有効期間内に受けたサービスが対象のため、期限後は給付の対象になりません。期限前に更新の申請を行います。

受給者証をなくしたらどうすればよいですか?

市町村に再交付を申請します。再交付を受けた後に古い受給者証が見つかったときは、速やかに市町村へ返します。

まとめ

受給者証は市町村の支給決定の内容を示す証明書で、手帳とは役割が異なります。申請・調査・計画案の提出を経て交付され、有効期間ごとに更新が必要です。事業所は契約支給量と有効期間を月ごとに確認しましょう。

参考資料

本記事は2026年10月24日時点の情報です。

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