支援記録の書き方と時短のコツ|就労支援の記録例と記録時間を減らす方法

公開日:2026/10/24

支援記録の書き方と時短のコツ|就労支援の記録例と記録時間を減らす方法

支援記録を早く書くには、記録項目をテンプレートで固定し、支援の直後に要点を残し、音声入力やAIの下書きを職員が確認して仕上げる流れに変えることが有効です。支援記録は運営基準で求められる法定の記録です。

この記事では、就労移行支援・就労継続支援A型/B型の職員やサービス管理責任者に向けて、支援記録の位置づけ、書く項目、NG記録の書き換え例、架空の記録例、記録時間を減らす方法、運営指導で見られる点、書類業務の見直し方を解説します。

目次

  1. 支援記録とは|運営基準での位置づけと保存期間
  2. 支援記録に書くこと|項目ごとの書き方と記入例
  3. 伝わる支援記録を書く5つの原則
  4. NG記録と書き換え例
  5. 支援記録の記入例(架空の事例)
  6. 記録時間を減らす5つの方法
  7. AIで記録を下書きするときの注意点
  8. 運営指導で支援記録はどう見られるか
  9. 事業所の書類業務を棚卸しする手順
  10. AURAの使い方と導入事例
  11. よくある質問
  12. まとめ
  13. 関連記事
  14. 参考資料

支援記録とは|運営基準での位置づけと保存期間

支援記録とは、事業所が提供した支援の日付・内容・本人の様子などを利用者ごとに残す記録です。「サービス提供記録」「ケース記録」など呼び方は事業所によって異なりますが、運営基準上は「サービスの提供の記録」にあたります。

根拠となる運営基準(平成18年厚生労働省令第171号)の条文は次のとおりです(e-Gov法令検索:平成18年厚生労働省令第171号)。

  • 第19条第1項:提供日、内容その他必要な事項を、提供の都度記録する
  • 第19条第2項:記録に際し、支給決定障害者等からサービスを提供したことの確認を受ける
  • 第75条第2項:個別支援計画やサービスの提供の記録などを整備し、提供した日から5年間保存する
  • 第224条:書面で行うとされている作成・保存は、電磁的記録(データ)で行うことができる

これらは就労移行支援(第184条)、就労継続支援A型(第197条)、B型(第202条)で準用されています。就労系サービスでも、支援記録は「提供のたびに書き、5年間保存する」法定の記録です。

実際の運営基準は、省令をもとに都道府県・指定都市などの条例で定められます。保存期間や確認の受け方は、指定を受けている自治体の条例・様式もあわせて確認してください。

支援記録は報酬請求の根拠であり、個別支援計画のモニタリングの材料にもなります。計画との関係は個別支援計画とは|書き方・作成の流れと記入例で解説しています。

支援記録に書くこと|項目ごとの書き方と記入例

支援記録の様式は事業所が任意に定めるのが一般的ですが、「いつ・誰に・何をして・本人はどうだったか・計画とどうつながるか」が読み取れる必要があります。基本の項目を整理します。

支援記録の基本項目(記入例は架空の事例)
項目書くこと記入例よくある誤り
日付・時間提供日、開始・終了時刻10月7日 9:30〜15:30早退・遅刻の時刻がない
利用者名・記録者名誰の記録か、誰が書いたかAさん/記録:生活支援員B記録者が空欄
サービス内容実施した訓練・作業・面談PC訓練(ビジネスメール作成)、模擬面接「作業」「訓練」とだけ書く
本人の様子行動・発言・体調などの事実課題3通中2通を時間内に作成。「前より書けた」と発言「元気だった」など印象だけ
支援内容・対応職員が何をしたか、その理由敬称の誤りが続くため、確認チェックリストを提案「見守り」とだけ書く
計画との関係個別支援計画のどの目標に関わるか短期目標2(メール作成)に対応目標と無関係な記述が続く
次回への申し送り次に確認すること次回、チェックリストの使用状況を確認口頭のみで記録に残らない

自治体の例として、札幌市は障害児通所支援の記録について、提供日と提供時間、利用者名と記録者名、具体的なサービス内容、心身の状況などを記載するよう示しています(札幌市「サービスの提供の記録の留意事項」)。障害児向けの資料ですが、項目を考える参考になります。

伝わる支援記録を書く5つの原則

良い支援記録とは、その場にいなかった職員が読んでも状況を再現できる記録です。長さより、必要な事実が短く入っていることが大切です。

  1. 事実と解釈を分ける:見たこと・聞いたことを先に書き、支援者の考えは「〜と考えられる」と分けます。
  2. 本人の言葉はそのまま残す:発言はかぎかっこで記録し、意向確認やモニタリングの根拠にします。
  3. 数・時間・回数で書く:「よくできた」ではなく「3通中2通」「午前2時間継続」と書きます。
  4. 対応と理由を書く:なぜその対応をしたかを1文添えると、ほかの職員が引き継げます。
  5. 計画の目標と結びつける:短期目標の番号を入れると、モニタリング時に記録を探す時間が減ります。

「事実 → 本人の言葉 → 対応と理由 → 計画との関係 → 次回」の型に固定すると、誰が書いても抜けが少なくなり、そのままテンプレートにも使えます。

NG記録と書き換え例

よく見られるNG記録と書き換え例です(いずれも架空の事例)。

NG記録の問題点と書き換え例(架空の事例)
NG例問題点書き換え例
今日も元気に作業していた。主観的で、何をどれだけしたか分からない10:00〜12:00に袋詰め作業。休憩1回で2時間継続し、120袋を完成。
作業中に不穏になったので対応した。「不穏」の中身と対応が不明11:00ごろ手が止まり表情がこわばる。「頭が痛い」と話したため、10分休憩し水分補給を促した。
就職に向けて頑張っている。何をしたか、どの目標と関係するかがない模擬面接を実施。志望動機を2分で説明できた。短期目標1に対応。
特変なし。確認した項目が分からない体調・服薬の申告に変化なし。午前・午後とも予定どおり訓練を実施。
わがままを言うので注意した。評価的な表現で、本人の意向が読み取れない「別の作業がしたい」と希望。理由は「同じ作業が続くと集中が切れる」。次回の割り振りで検討すると伝えた。

記録は本人や家族から開示を求められることもあります。根拠のない決めつけは避け、事実と本人の言葉を中心に書くことが基本です。

支援記録の記入例(架空の事例)

就労移行支援と就労継続支援B型の記入例です。どちらも実在の利用者・事業所とは関係のない架空の事例です。

就労移行支援の記入例

前提:Aさん(20代)。短期目標は「1. 週5日、9時30分からの通所を続ける」「2. ビジネスメールを敬称の誤りなく作成する」。

  • 日付・時間:10月7日 9:30〜15:30(9:25到着)
  • サービス内容:午前はPC訓練(メール作成)、午後は模擬面接と振り返り
  • 本人の様子:「昨日はよく眠れた」と話す。メール課題3通中2通を時間内に作成。宛名の敬称に1か所誤りがあり、指摘すると自分で修正。模擬面接後「志望動機は前より言えた」と発言。
  • 対応:敬称の誤りが前回も見られたため、提出前のチェックリストを提案し、本人の了承を得た。
  • 計画との関係:目標1は今週4日連続で達成。目標2はチェックリストで経過を見る。
  • 申し送り:次回、チェックリストを使えたかを確認する。

就労継続支援B型の記入例

前提:Bさん(40代)。短期目標は「1. 休憩をはさみ午前2時間、軽作業を続ける」「2. 体調の変化を自分から職員に伝える」。

  • 日付・時間:10月7日 10:00〜15:00
  • サービス内容:午前は部品の袋詰め、午後は清掃作業
  • 本人の様子:10:50ごろ手が止まる。職員が声をかける前に、本人から「少し頭が痛い」と申し出。10分休憩後、11:05に再開し12:00まで継続。完成数120袋。
  • 対応:休憩室で体調を確認。本人が「もう大丈夫」と話したため再開とし、午後も表情と作業ペースを確認した。
  • 計画との関係:目標2について、本人から体調を伝えられたのは今月初めて。モニタリングで共有する。
  • 申し送り:次回来所時に頭痛の有無を聞き取る。

記録をモニタリングに生かす方法は個別支援計画のモニタリング記入例を参考にしてください。

記録時間を減らす5つの方法

記録時間が長くなる主な原因は「何を書くかを毎回考える」「メモを清書する」「同じ内容を複数の書類に転記する」の3つです。次の5つの方法で、それぞれを減らせます。

テンプレート化と定型文

前の章の文章の型を、記録様式の欄として用意します。通所時刻や作業内容、体調チェックなど毎回同じ項目は選択式にし、本人の様子だけを文章で書くと入力量が減ります。ただし定型文を毎日そのまま貼ると支援の変化が読み取れなくなるため、その日の事実を必ず1文以上加えるルールにしましょう。

記録のタイミングを決める

終業後にまとめて書くと思い出す時間がかかり、内容もあいまいになります。運営基準も「提供の都度」の記録を求めています。作業の合間にキーワードをメモし、午前・午後の区切りで利用者ごとに数行ずつ確定させ、終業前は確認と申し送りにあてる、という流れを1日の予定に組み込みましょう。

音声入力・スマートフォン入力

厚生労働省の調査研究事業で作成された「障害福祉サービス事業所のICTを活用した業務改善ガイドライン」は、記録の改善ポイントに「入力方法を変える」を挙げ、スマートフォン入力やヘッドセットによる音声入力を導入した事業所の事例を紹介しています(厚生労働省:ICTを活用した業務改善ガイドライン(PDF))。パソコン入力に不慣れな職員が多い事業所でも取り入れやすい方法です。利用者名や専門用語の誤変換は確定前に読み返してください。

ICT・AIで転記と清書を減らす

同ガイドラインでは、記録をデータベース化して閲覧しやすくすることもポイントとされています。メモを清書し、実績記録票や個別支援計画に転記している場合は、記録・実績・請求がつながるシステムで二重入力を減らせます。面談の音声や日々の記録から、AIが記録や個別支援計画などの下書きを作るツールもあります。AIに任せるのは清書と下書きまでで、事実との一致や計画との関係の判断は職員が行います。比較は就労支援ソフトの選び方をご覧ください。

記録項目そのものを見直す

運営基準や加算の要件で必要な項目を確認したうえで、業務日誌・支援記録・申し送りノートに同じ内容を重ねて書いていないか、誰も読み返していない欄がないか、選択式にできる欄を文章で書いていないかを点検しましょう。

AIで記録を下書きするときの注意点

支援記録は心身の状況を含む個人情報です。AIを使う前に次の点を確認しましょう。

  1. 最終確認は職員が行う:事実の誤り、言っていない内容の追加、評価的な表現がないかを確認してから確定します。
  2. 利用者への説明:面談を録音する場合は、目的と取扱いを説明し了承を得ます。
  3. 個人情報の取扱い:入力データが学習に使われるか、保存期間はどうかを確認します。個人情報保護委員会も生成AIサービス利用時の注意点を公表しています(個人情報保護委員会:生成AIサービスの利用に関する注意喚起等について)。

詳しくは個別支援計画をAIで下書きする手順と注意点、障害福祉事業所の個人情報漏えい対策で解説しています。

運営指導で支援記録はどう見られるか

厚生労働省は令和8年6月、自治体向けに「指定障害福祉サービス事業者等指導指針」と「集団指導・運営指導マニュアル」を示しました(厚生労働省:指導監査について(障発0608第1号)(PDF))。マニュアルのうち支援記録に関わる点を整理します(厚生労働省:集団指導・運営指導マニュアル(PDF))。

  • 頻度:就労継続支援A型・B型は3年に1回以上、就労移行支援などその他のサービスは原則として指定の有効期間内に少なくとも1回以上
  • 範囲:確認する文書は原則として前年度から直近の実績に係る書類、利用者の記録の確認は原則3名以内
  • 観点:書類の有無ではなく、計画や記録が作成され、それに基づいてサービスが提供されているかという一連の流れに重点を置く
  • 加算:個別支援計画、支援記録、研修記録、会議録など、加算ごとの要件に応じた資料を確認する

記録が「ある」だけでなく、計画の目標と日々の記録、モニタリングがつながっているかが見られます。前述の札幌市の資料も、後日一括して記録を作成しまとめて確認を受ける対応は不適切としています。指導の具体的な内容は自治体ごとに異なるため、指定権者の集団指導資料も確認してください。

事業所の書類業務を棚卸しする手順

書類業務による残業を減らすには、事業所全体の見直しが必要です。厚生労働省は、障害福祉分野の生産性向上を「支援を減らすこと」でも「人を減らすこと」でもないと位置づけ、間接業務の効率化と直接処遇業務の負担軽減・質の向上を進めるとしています(厚生労働省:障害福祉分野における生産性向上・手続負担軽減)。同省の導入・活用マニュアルも、業務の見える化、課題の整理、改善の検討、テクノロジーの活用という進め方を示しています(厚生労働省:介護テクノロジー等導入・活用マニュアル)。書類業務にあてはめると次の手順です。

  1. 書き出す:支援記録、業務日誌、実績記録票、アセスメント、個別支援計画、モニタリング、会議録、請求など、日次・月次・随時の書類を一覧にします。
  2. 測る:1〜2週間、書類ごとのおおよその作業時間を記録します。
  3. 重複を探す:同じ情報を複数の書類に転記している箇所、紙とパソコンで二重に書いている箇所に印をつけます。
  4. 対策を決める:「やめる」「まとめる」「様式を変える」「道具を変える」「担当を見直す」から選びます。
  5. 試して振り返る:一部で試行し、記録の質が落ちていないかを確認してから広げます。

サービス管理責任者に書類が集中している場合は、記録の下書きを支援員が担い、サービス管理責任者は確認と計画への反映に集中する分担も検討できます。役割はサービス管理責任者とはを参考にしてください。

AURAの使い方と導入事例

AURA就労支援は、就労移行支援・就労継続支援A型/B型向けの障害福祉AIです。面談音声や支援記録からアセスメント、個別支援計画書、モニタリング報告書などの下書きを作成し、職員が確認・修正して仕上げます。利用者管理、支援記録、実績、国保連請求まで一つの環境で扱えるため、転記の手間を減らせます。

目指しているのは、書類作成の負担を減らし、職員が利用者支援に集中できる時間をつくることです。AIの出力は下書きで、最終判断は職員が行います。何台・何人で使っても追加費用は不要で、面談音声は保存開始から7日経過後に削除対象となり、最大8日程度で削除されます(AURAのセキュリティ・データ取扱い)。

以下は導入事業所のインタビューの要約です。数値はインタビューで語られた個別の体験・概数です。

就労継続支援B型 CYATH|書類の時間が減り、利用者から声がかかるように

eスポーツに特化したB型事業所CYATHでは、面談で聞き取った内容を書類に起こす作業に時間がかかることが課題でした。サービス管理責任者の山下さんは、会議の後にまとめていた作業について「一つの作業につき30分とか1時間とか削減できる」と話し、メモを取らずに表情を見ながら話を聞けるようになった、利用者から声をかけてくれる人が増えたと語っています。

インタビューを読む(CYATH)

就労移行支援 Omoro-Step天満橋|メモを見る時間が減り、顔を見て話せるように

サービス管理責任者の二川さんは、面談中にメモを取ると目線が下がることに悩んでいました。導入後は利用者の顔を見て話せるようになり、新規利用者のアセスメントから個別支援計画の原案作成までが「30分、1時間ぐらいで全部が完結できるような流れ」になったと話しています。スタッフとの対話や研修の時間も取りやすくなったそうです。

インタビューを読む(二川さん)

機能や導入の流れはAURA就労支援の資料を受け取るから確認できます。

よくある質問

支援記録は毎日書かなければいけませんか?

はい。運営基準は提供の都度の記録を求めているため、利用者が通所した日ごとに記録します。後日まとめて作成する運用は避けましょう。

支援記録はパソコンやタブレットで作ってもよいですか?

作成できます。運営基準の第224条で、書面で行うとされている作成・保存は電磁的記録で行えると定められています。

支援記録は何年保存すればよいですか?

省令ではサービスを提供した日から5年間です。実際の基準は自治体の条例で定められるため、指定権者の条例も確認してください。

業務日誌(日報)と支援記録は同じものでよいですか?

兼ねる場合は、利用者ごとの支援内容と様子が読み取れることが必要です。事業所全体の出来事だけでは支援記録の代わりになりません。

支援記録をAIに書かせても問題ありませんか?

下書きに使うことはできますが、事実確認と確定は職員が行います。個人情報の取扱いやデータの保存先も事前に確認しましょう。

まとめ

支援記録は、提供の都度の記録と5年間の保存が求められる法定の記録で、モニタリングや報酬請求の根拠にもなります。記録時間は、文章の型のテンプレート化、記録のタイミングの固定、音声入力やICT・AIによる清書・転記の削減で短くできます。事業所全体の書類業務も棚卸しし、利用者と向き合う時間を確保しましょう。

参考資料

本記事は2026年10月24日時点の情報です。

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