報酬改定への備え|障害福祉の書類・様式・請求の変更にどう対応するか

公開日:2026/10/24

報酬改定への備え|障害福祉の書類・様式・請求の変更にどう対応するか

障害福祉の報酬改定への備えとは、管理者・サビ管・請求担当が施行前から告示や通知を追い、加算要件の確認、体制届、重要事項説明書や計画書様式の見直し、請求ソフトの更新確認を施行月までに終えることです。

この記事では、報酬改定の仕組みと直近の令和6年度・令和8年度改定の要点、情報が公表される順番、事業所のチェックリスト、情報収集の方法、ソフト選びで確認することを、厚生労働省の公表資料をもとに整理します。単位数の一覧は扱いません。

目次

  1. 報酬改定とは|原則3年ごとの見直しと臨時の改定
  2. 直近の改定|令和6年度改定と令和8年度改定の要点
  3. 情報が出る順番とスケジュール
  4. 事業所がやることのチェックリスト
  5. 加算の要件確認と体制届
  6. 重要事項説明書・運営規程・計画書の見直しと利用者への説明
  7. 請求ソフトの更新確認と改定直後の請求
  8. 情報収集の方法|厚労省のページと自治体の集団指導
  9. ソフト選びで確認すること|改定対応の費用と時期
  10. AURAの使い方・事例
  11. よくある質問
  12. 関連記事
  13. 参考資料

報酬改定とは|原則3年ごとの見直しと臨時の改定

報酬改定とは、障害福祉サービス等報酬(基本報酬や加算・減算の単位数と算定要件)と、人員・設備・運営の基準を見直すことです。報酬は告示と通知で定められ、国保連を通じて支払われます。

改定は原則として3年ごとに行われます。厚生労働省の「集団指導・運営指導マニュアル」(令和8年6月)でも「3年毎の制度及び報酬改定」と表現されており、これまで令和3年度、令和6年度に改定が行われました。次の定期改定として、令和9年度改定に向けた議論が障害福祉サービス等報酬改定検討チームで進んでいます(出典:厚生労働省「障害福祉サービス等報酬改定検討チーム」)。

一方で、令和8年度のように処遇改善加算の拡充や「臨時応急的な見直し」が3年の途中に行われることもあります。毎年度の情報を確認する体制が必要です。

報酬改定で変わるものと、事業所への影響
変わるもの主な根拠事業所への影響
基本報酬・加算・減算の単位数報酬告示収入の見込み、請求データ
加算の算定要件・届出方法告示、留意事項通知、Q&A体制届、人員配置、記録の取り方
人員・設備・運営の基準指定基準(省令)、解釈通知運営規程、重要事項説明書、計画書の運用
請求データの仕様インタフェース仕様書、サービスコード表請求ソフトの更新、返戻の起きやすさ

直近の改定|令和6年度改定と令和8年度改定の要点

令和6年度改定

令和6年度改定の改定率は全体で+1.12%とされ、施行は令和6年4月1日が原則です。ただし、処遇改善分と処遇改善加算等の一本化は令和6年6月1日、就労選択支援に関する改定事項は令和7年10月1日の施行とされました。同じ改定でも施行日が分かれる点が、事務負担を大きくする理由の一つです(出典:厚生労働省「令和6年度障害福祉サービス等報酬改定の概要」)。

書類の運用に関わる見直しとしては、次のようなものがありました。

  • 個別支援計画を、指定特定相談支援事業所等にも交付することが指定基準に定められた(一部サービスを除く)
  • 業務継続計画未策定減算、虐待防止措置未実施減算、情報公表未報告減算が新設された
  • 処遇改善関係の加算が「福祉・介護職員等処遇改善加算」に一本化された

令和8年度改定

令和8年度改定は、障害福祉サービス等報酬改定検討チームが令和8年2月18日に改定事項をまとめたもので、大きく「処遇改善加算の拡充等」と「令和8年度における臨時応急的な見直し」に分かれます(出典:厚生労働省「令和8年度障害福祉サービス等報酬改定における改定事項について」)。

令和8年度改定の主な事項と施行時期
改定事項対象施行
処遇改善加算の対象を福祉・介護職員から障害福祉従事者に拡大処遇改善加算の対象サービス令和8年6月
処遇改善加算の新設計画相談支援、障害児相談支援、地域相談支援令和8年6月
就労移行支援体制加算の見直し(算定できる年間就職者数に定員数の上限)生活介護、自立訓練、就労継続支援A型・B型令和8年4月
基本報酬区分の基準の見直し就労継続支援B型令和8年6月
新規事業所への応急的な報酬単価の適用就労継続支援B型、共同生活援助(一部類型)、児童発達支援、放課後等デイサービス令和8年6月(6月1日以降の新規指定が対象)

相談支援事業所にとっては、これまで対象外だった処遇改善加算が新設された点が大きな変化です。就労継続支援B型では、令和8年度は改めて6月に基本報酬の算定区分の届出を行うこととされています(出典:厚生労働省「実施上の留意事項について」の一部改正(令和8年5月28日))。

情報が出る順番とスケジュール

報酬改定の情報は一度にすべて出るわけではなく、おおまかに次の順番で公表され、施行後もQ&Aが追加されます。

  1. 障害福祉サービス等報酬改定検討チームで、関係団体ヒアリングや論点の議論が行われる
  2. 改定の概要(改定事項)が取りまとめられる
  3. 報酬の算定基準を改正する告示が公布される
  4. 算定の細かいルールを示す「実施上の留意事項について」などの通知が改正される
  5. 解釈の疑問に答えるQ&Aが、施行前後に複数回出される
  6. 国保連への請求データの仕様(インタフェース仕様書、サービスコード表など)が、案から確定版の順で示される

令和8年度改定では、公表資料の日付は次のとおりでした。

令和8年度改定で公表された主な資料(厚生労働省の公表日)
時期公表された資料事業所の動きの例
令和8年2月18日改定事項(検討チーム)自事業所に関係する事項を洗い出す
令和8年2月27日インタフェース仕様書(案)等請求ソフトの対応予定を確認する
令和8年3月31日告示、Q&A VOL.1算定する加算と届出の要否を決める
令和8年4月28日インタフェース仕様書【確定版】等ソフトの更新時期を確認する
令和8年5月28日留意事項通知の改正、関連Q&A運用ルールと記録方法を確定する
令和8年7月13日Q&A VOL.2施行後の解釈を確認し、運用を修正する

日付は厚生労働省「令和8年度障害福祉サービス等報酬改定について」と、障害者自立支援給付支払等システムに係るインタフェース仕様書(令和8年6月施行分)の掲載資料によります。告示が出た後も、細かい運用は通知やQ&Aで決まっていくため、施行日の直前まで情報が更新される前提で計画を立てることが大切です。

事業所がやることのチェックリスト

改定対応は、管理者だけが抱えると漏れが出やすくなります。項目ごとに担当と期限を決め、施行月の前に終えることを目標にします。下の表は、担当の分け方の一例です。

報酬改定時の対応チェックリスト(担当は一例)
項目確認すること担当の例目安の時期
改定事項の洗い出し自事業所のサービス種別に関係する事項はどれか管理者改定の概要の公表後
加算の要件確認算定中・算定予定の加算の要件、新設・廃止・変更管理者、サービス管理責任者告示・通知の公表後
体制届届出が必要な加算と、指定権者の提出期限管理者、事務担当施行月の前月15日まで(自治体の案内に従う)
運営規程・重要事項説明書・契約書利用料、サービス内容、加算の記載に変更があるか管理者施行前
利用者への説明説明の方法と記録の残し方サービス管理責任者、相談支援専門員施行前
計画書・記録の様式個別支援計画、サービス等利用計画、記録の項目の変更サービス管理責任者、相談支援専門員施行前〜施行月
請求ソフト改定への対応時期、費用、設定変更の要否請求担当施行月の請求前
施行後の確認追加のQ&A、返戻の有無、初回請求の結果請求担当、管理者施行の翌月〜

加算の要件確認と体制届

加算には、要件を満たしていても届出がないと算定できないものがあります。改定のたびに次の手順で確認します。

  1. 改定の概要で、自事業所のサービス種別に関係する加算の新設・見直しを確認する
  2. 告示と留意事項通知で、算定要件(人員、研修、記録、実績など)を確認する
  3. Q&Aで、解釈が分かれやすい点を確認する
  4. 要件を満たすかを判断し、届出が必要な加算を決める
  5. 指定権者(都道府県・指定都市・中核市など)の案内に従い、体制等状況一覧表などを提出する

留意事項通知では、算定される単位数が増える加算の届出について、毎月15日以前の届出は翌月から、16日以降の届出は翌々月から算定を開始するとされています(出典:厚生労働省「実施上の留意事項について」の一部改正(令和8年5月28日))。ただし改定時には、自治体が別の提出期限を案内することがあります。体制届や加算届の標準様式は厚生労働省「指定申請等の標準様式等」に掲載されていますが、提出方法は指定権者ごとに確認してください。

加算の確認でよくある誤りと書き換え例
NG例問題点書き換え例
「前と同じ加算だから届出は不要」改定で区分や要件が変わると、届出し直しが必要な場合がある算定中の加算ごとに、改定後の要件と届出の要否を表で確認する
「要件は満たしているので今月から算定する」届出の時期によって算定開始月が決まる届出日と算定開始月を記録し、請求担当と共有する
「概要資料だけで判断した」細かい要件は告示・通知・Q&Aで示される概要で対象を絞り、告示と通知で要件を確認する

重要事項説明書・運営規程・計画書の見直しと利用者への説明

重要事項説明書・運営規程・契約書

指定基準では、事業者はサービス提供の開始にあたり、運営規程の概要などの重要事項を記した文書を交付して説明し、同意を得ることとされています(出典:e-Gov法令検索「指定障害福祉サービスの事業等の人員、設備及び運営に関する基準」第9条・第31条)。改定で利用料や提供体制が変わる場合は、次の型で見直します。

見直しの型(書くこと/記入例/よくある誤り)
欄書くこと記入例(架空の事例)よくある誤り
利用料算定する加算と利用者負担の考え方「当事業所が算定する加算は別紙のとおりです」改定前の加算名や区分が残ったままになる
従業者の体制職種と員数、勤務体制「サービス管理責任者1名、職業指導員2名」加算の届出内容と記載がずれる
改定日書類をいつ改定したか「令和○年○月○日改定」改定日がなく、どの版で説明したか分からない

運営規程の変更が指定権者への変更届の対象になるかどうかは、指定権者の案内で確認してください。

利用者・家族への説明

利用者負担が変わる可能性がある場合は、施行前に説明の機会を設け、説明した日・相手・方法を記録しておきます。障害の特性に応じて、要点をまとめた資料や口頭での説明を組み合わせると伝わりやすくなります。同意の取り直しが必要かどうかは、変更の内容によって異なるため、指定権者に確認するのが確実です。

個別支援計画・サービス等利用計画の様式

改定で計画書に書く項目や交付先が変わることがあります。令和6年度改定で個別支援計画を相談支援事業所にも交付することが定められたように、様式そのものだけでなく「誰に渡すか」「何を記録するか」も確認の対象です。

  • 加算の算定要件に、計画書への記載や記録が含まれていないか
  • 自治体から新しい様式例や記載例が示されていないか
  • 計画書の交付・共有の記録を残せているか

計画書の書き方そのものは、個別支援計画書テンプレートやサービス等利用計画と個別支援計画の関係と違いで解説しています。

請求ソフトの更新確認と改定直後の請求

国保連への請求データは、厚生労働省が示すインタフェース仕様書やサービスコード表に沿って作られます。改定ではこれらも更新されるため、請求ソフト側の対応が必要です。令和8年度改定では、仕様書の確定版などが示されたのは令和8年4月28日で、6月の施行まで約1か月でした(出典:厚生労働省事務連絡「障害福祉サービス等報酬改定に係るインタフェース仕様書【確定版】等の提示について」(令和8年4月28日))。

請求担当は次の点を確認します。

  1. ソフト事業者から、改定への対応予定日と内容の案内が出ているか
  2. 更新後に、事業所側で設定(加算の区分、基本報酬の区分など)を変える必要があるか
  3. 施行月の実績が改定後の単位で計算されているか、試しに確認したか
  4. 初回請求の後、返戻やエラーが出ていないか

改定直後は体制届と請求データの不一致による返戻が起きやすくなります。原因と再請求の手順は返戻とは?原因と防ぎ方・再請求の手順で詳しく解説しています。

情報収集の方法|厚労省のページと自治体の集団指導

改定情報は、まとめサイトやSNSよりも一次情報を起点に集めるのが確実です。

報酬改定の主な情報源
情報源分かること確認の頻度の目安
厚生労働省「障害福祉サービス等報酬改定について」(年度別ページ)改定の概要、告示、通知、Q&A改定年度は月1回以上
障害福祉サービス等報酬改定検討チーム次の改定に向けた論点、関係団体の意見開催ごと
障害者自立支援給付支払等システム関係資料インタフェース仕様書、サービスコード表改定前後(主に請求担当・ソフト事業者向け)
都道府県・市町村の事業者向けページ、集団指導体制届の期限、地域の運用、指導での指摘事例年1回以上

集団指導は、都道府県または市町村が主体となり、制度の趣旨や運営方法、報酬請求の手続きなどを事業者に一斉に伝える場です。厚生労働省のマニュアルでは、全ての指定事業者等を対象に年1回以上行うものとされ、オンラインでの実施も可能とされています(出典:厚生労働省「指定障害福祉サービス事業者等に対する集団指導・運営指導マニュアル」(令和8年6月))。資料には自治体ごとの運用や期限が書かれていることが多いため、チェックリストと照らし合わせて読みます。

ソフト選びで確認すること|改定対応の費用と時期

改定時はソフトの更新を待たないと請求や書類作成が進みません。ソフトを選ぶとき、見直すときは、機能だけでなく改定への対応方針を確認します。

ソフト選びで確認したい改定対応の項目
確認項目質問の例確認する理由
改定対応の費用報酬改定や基準変更への対応に追加費用はかかるか3年ごとの改定と臨時の改定のたびに費用が発生すると、総額が読みにくい
対応の時期前回の改定では、施行のどれくらい前に更新されたか施行月の請求に間に合うかが決まる
案内の方法改定内容と設定変更の手順をどのように案内するか事業所側の設定漏れを防ぐ
書類の様式計画書や記録の様式変更に対応できるか、自事業所の様式を使えるか請求以外の書類も改定の影響を受ける

製品ごとの比較の観点は、就労支援ソフトの選び方と相談支援ソフトの選び方で整理しています。各社の改定対応の条件は、契約前に公式サイトや見積書で確認してください。

AURAの使い方・事例

AURAは、障害福祉事業所の書類作成の負担を減らし、職員が利用者支援に集中できるようにするためのサービスです。報酬改定や厚労省の基準変更には、追加費用なしでアップデート対応しています(各製品ページのよくある質問で「お客様からの費用はいただかず」と案内)。

  • AURA就労支援(就労移行支援・就労継続支援A型/B型向け):面談音声や支援記録から、アセスメント、個別支援計画書、モニタリング報告書などの下書きを作成し、利用者管理、支援記録、実績、国保連請求まで一つの環境で扱えます。
  • AURA相談支援(計画相談支援・障害児相談支援向け):面談音声や資料から、アセスメント、サービス等利用計画案、モニタリング報告書、支援経過記録などの下書きを作成します。今お使いのExcel様式を取り込んで書類を作れます。

AIが作るのは下書きで、確認と最終判断はサービス管理責任者や相談支援専門員などの職員が行います。何台・何人で使っても追加費用はかかりません。

導入事例:就労継続支援B型「アイランド」(大阪市)

eスポーツに特化した就労継続支援B型事業所「アイランド」では、導入前は請求業務が「1日がかり」で、2〜3時間かけて入力しても漏れがあり、国保連からエラーで返ってくることもあったと語っています。導入後は「月末月初が本当に楽になりました」と話し、返戻があった時もエラー箇所を直して翌月請求に回せる手軽さや、選んでよかった点として「アップデートの早さ」を挙げています。

※数値・発言はインタビューで語られた個別の体験・概数です。詳しくはアイランドのインタビューをご覧ください。

就労系事業所の方は、AURA就労支援の資料を受け取るから詳しい内容をご覧いただけます。

よくある質問

報酬改定は何年ごとにありますか?

原則として3年ごとで、直近の定期改定は令和6年度、次は令和9年度改定に向けた議論が進んでいます。令和8年度のように、3年の途中で臨時の見直しが行われることもあります。

準備はいつから始めればよいですか?

改定の概要が公表された時点で、自事業所に関係する事項の洗い出しを始めるのがおすすめです。告示・通知・Q&Aは施行直前まで更新されるため、確定を待ってから一度に対応しようとすると間に合わないことがあります。

加算の体制届はいつまでに出せばよいですか?

単位数が増える加算は、原則として毎月15日以前の届出で翌月から、16日以降の届出で翌々月から算定できます。改定時は自治体が別の期限を案内することがあるため、指定権者の案内を必ず確認してください。

変更の内容によって異なるため、一律には言えません。利用料や重要事項に変更がある場合は施行前に説明して記録を残し、同意の取り直しの要否は指定権者に確認するのが確実です。

請求ソフトの改定対応に費用はかかりますか?

製品によって異なります。契約前に、報酬改定・基準変更への対応費用と、過去の改定での対応時期を確認しておくと安心です。

参考資料

本記事は2026年10月24日時点の情報です。

面談から書類・記録・請求まで。
障害福祉の業務をつなぐAI「AURA」
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AURAは、福祉・行政・地域の現場と共に進化する障害福祉AIです。
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