障害児相談支援とは|対象・利用の流れ・計画相談支援との違い・事業所の要件

公開日:2026/11/05

障害児相談支援とは|対象・利用の流れ・計画相談支援との違い・事業所の要件

障害児相談支援とは、児童発達支援や放課後等デイサービスなどの障害児通所支援を使う子どもについて、相談支援専門員が障害児支援利用計画を作り、利用開始後も定期的に見直す支援です。

この記事では、児童福祉法上の定義、対象となる子ども、2つの支援内容、利用の流れとセルフプラン、モニタリングの頻度、利用料、計画相談支援との違い、事業所の要件、障害児支援利用計画案の書き方を、e-Gov法令検索・厚生労働省・WAM NETの情報をもとに整理します。

目次

  1. 障害児相談支援とは(児童福祉法上の定義)
  2. 対象となる子どもと保護者
  3. 2つの支援内容(障害児支援利用援助・継続障害児支援利用援助)
  4. 利用の流れ(相談から通所開始まで)
  5. モニタリングの頻度と内容
  6. 利用料と障害児相談支援給付費
  7. 計画相談支援との違い
  8. 障害児相談支援事業所の要件(指定・人員・運営)
  9. 障害児支援利用計画案の書き方のポイント
  10. 書類業務の負担を減らす(AURAの使い方・事例)
  11. よくある質問
  12. 関連記事
  13. 参考資料

障害児相談支援とは(児童福祉法上の定義)

障害児相談支援は、児童福祉法第6条の2の2で「障害児支援利用援助及び継続障害児支援利用援助を行うこと」と定義されています(e-Gov法令検索:児童福祉法)。障害児相談支援を行う事業を「障害児相談支援事業」、市町村長の指定を受けた事業者を「指定障害児相談支援事業者」と呼びます。

同じ条文で、障害児通所支援は児童発達支援、放課後等デイサービス、居宅訪問型児童発達支援、保育所等訪問支援の4つとされています。障害児相談支援は、これらの通所支援を使い始める前の計画づくりと、使い始めた後の見直しを担う仕組みです。

大人の障害福祉サービスでは、障害者総合支援法に基づく計画相談支援がサービス等利用計画を作ります。障害児相談支援はその児童福祉法版にあたり、作る計画の名称は「障害児支援利用計画」です。

障害児相談支援の事業の人員・運営のルールは、「児童福祉法に基づく指定障害児相談支援の事業の人員及び運営に関する基準」(以下、指定基準)に定められています(e-Gov法令検索:指定障害児相談支援の基準)。

対象となる子どもと保護者

厚生労働省は、障害児相談支援の対象者を「障害児通所支援を申請した障害児であって市町村が障害児支援利用計画案の提出を求めた者」と説明しています(厚生労働省「障害のある人に対する相談支援について」)。WAM NETでも、対象は「障害児通所支援を利用するすべての障害児」とされています(WAM NET「障害児相談支援」)。

法律上、給付費を受けるのは子ども本人ではなく保護者です。児童福祉法第24条の26では、計画案の提出を求められた通所支援の申請者である保護者や、通所給付決定を受けた保護者を「障害児相談支援対象保護者」としています。

使うサービスと相談支援の種類
子どもが使うサービス根拠法相談支援の種類作る計画
児童発達支援・放課後等デイサービスなどの障害児通所支援児童福祉法障害児相談支援障害児支援利用計画
居宅介護(ホームヘルプ)・短期入所などの障害福祉サービス障害者総合支援法計画相談支援サービス等利用計画

厚生労働省の説明では、計画相談支援の対象者は「障害福祉サービスを申請した障害者又は障害児」とされています。子どもでも、ホームヘルプや短期入所を使う場合は計画相談支援の対象になる点に注意が必要です。障害児入所施設の利用は障害児相談支援の対象ではなく、手続きも通所支援とは異なるため、窓口に確認しましょう。

2つの支援内容(障害児支援利用援助・継続障害児支援利用援助)

障害児相談支援は、通所支援の利用前に行う「障害児支援利用援助」と、利用開始後に行う「継続障害児支援利用援助」の2つで構成されます(児童福祉法第6条の2の2)。

障害児相談支援の2つの支援
支援時期主な内容作る書類
障害児支援利用援助通所支援の申請〜支給決定後心身の状況・環境・意向を踏まえた計画案の作成、決定後の事業所との連絡調整、計画の作成障害児支援利用計画案、障害児支援利用計画
継続障害児支援利用援助通所給付決定の有効期間中一定期間ごとの利用状況の検証(モニタリング)、計画の見直し、変更申請などの勧奨モニタリングの記録、変更後の計画

障害児支援利用援助では、まず「計画案」を作り、市町村の支給決定が出た後に、事業所との調整を経て正式な「計画」を作ります。案と計画の2段階がある点は、大人の計画相談支援と同じです。

継続障害児支援利用援助では、計画どおりに通所支援を使えているか、子どもの状態や家庭の状況に変化がないかを確認し、必要があれば計画を見直します。新たな通所給付決定が必要な場合は、保護者に申請を勧めます(指定基準第15条第3項)。

利用の流れ(相談から通所開始まで)

児童福祉法第21条の5の7では、市町村は必要と認める場合に、保護者に対して指定障害児相談支援事業者が作成する障害児支援利用計画案の提出を求め、その計画案を勘案して支給の要否を決めるとされています。一般的な流れは次のとおりです。

  1. 市町村の障害福祉・子ども担当の窓口に、通所支援を使いたいと相談する
  2. 通所支援の利用を申請し、障害児支援利用計画案の提出を求められる
  3. 保護者が障害児相談支援事業所を選び、契約する
  4. 相談支援専門員が自宅を訪問し、子どもと家族に面接してアセスメントを行う
  5. 相談支援専門員が計画案を作成し、保護者が内容に同意して市町村に提出する
  6. 市町村が計画案などを勘案して支給を決定し、受給者証を交付する
  7. サービス担当者会議を経て障害児支援利用計画を作成し、通所支援の事業所と契約して利用を始める

手順の名称や順番は自治体によって異なることがあります。受給者証の記載内容や申請の流れは、障害福祉サービス受給者証とはでも解説しています。

セルフプランを選ぶ場合

児童福祉法施行規則第18条の14では、身近な地域に指定障害児相談支援事業者がない場合や、保護者が希望する場合には、事業者が作る計画案に代えて、別の計画案(いわゆるセルフプラン)を提出できるとされています(e-Gov法令検索:児童福祉法施行規則)。

セルフプランは保護者が自分で作るため、相談支援専門員による継続的なモニタリングはありません。複数の事業所を使う場合や、就学・進学などで生活が変わる時期には、事業所の利用を検討する価値があります。様式や提出方法は市町村ごとに異なるため、窓口で確認しましょう。

モニタリングの頻度と内容

モニタリングを行う期間は、児童福祉法施行規則第1条の2の7で、子どもの心身の状況や環境、支援の目標などに加え、次の期間を勘案して市町村が必要と認める期間とされています。

モニタリング期間の勘案事項(児童福祉法施行規則第1条の2の7)
区分勘案する期間例
下の2つ以外6月間通所支援の利用が安定している子ども
集中的な支援や連絡調整が必要な子ども1月間障害児入所施設から退所した子ども、家族の障害や疾病で事業所との連絡調整が難しい家庭
サービスの種類・内容・量が大きく変わった子ども1月間(利用開始から3月を経過するまで)新たに通所支援を使い始めた、利用日数が大きく増えた

実際のモニタリング月は、計画案で相談支援専門員が提案し、支給決定のときに市町村が決めます。指定基準第15条第3項では、モニタリングでは子どもと家族、通所支援の事業所などと継続的に連絡を取り、決められた期間ごとに子どもの居宅を訪問して面接し、結果を記録することとされています。

モニタリング報告書の書き方は、モニタリング報告書(相談支援)の書き方と記入例で詳しく解説しています。

利用料と障害児相談支援給付費

WAM NETでは、障害児相談支援の利用料は「無料」とされています。障害児相談支援に要した費用は、市町村から事業者に「障害児相談支援給付費」として支払われる仕組みです(児童福祉法第24条の25・第24条の26)。

児童福祉法第24条の26では、給付費の額は、指定障害児相談支援に通常要する費用について内閣総理大臣が定める基準で算定した額とされ、市町村が保護者に代わって事業者へ直接支払う(法定代理受領)ことができると定められています。そのため、保護者が事業所に費用を支払う場面は通常ありません。

なお、通所支援そのもの(児童発達支援や放課後等デイサービス)の利用料は、障害児相談支援とは別に扱われます。負担額は世帯の状況などで変わるため、市町村の窓口で確認してください。事業所側の報酬の単位数や加算の要件は改定があるため、最新の告示・通知で確認が必要です。

計画相談支援との違い

障害児相談支援と計画相談支援は、どちらも相談支援専門員が利用計画を作り、モニタリングで見直す点は共通しています。違いは、根拠となる法律と対象となるサービスです。

障害児相談支援と計画相談支援の比較
項目障害児相談支援計画相談支援
根拠法児童福祉法障害者総合支援法
対象となるサービス障害児通所支援(児童発達支援・放課後等デイサービスなど)障害福祉サービス・地域相談支援(子どものホームヘルプなどを含む)
作る計画障害児支援利用計画案・障害児支援利用計画サービス等利用計画案・サービス等利用計画
事業者の名称指定障害児相談支援事業者指定特定相談支援事業者
給付費障害児相談支援給付費計画相談支援給付費

子どもが通所支援と障害福祉サービスの両方を使う場合は、両方の相談支援の対象になります。指定基準第3条では、障害児相談支援と計画相談支援を同じ事業所で一体的に運営する場合を想定した人員の数え方が定められており、両方の指定を受けた事業所が担当するのが一般的です。具体的な取り扱いは市町村に確認しましょう。

計画相談支援の流れや報酬の考え方は、計画相談支援とは?利用の流れ・報酬・相談支援専門員の役割で解説しています。

障害児相談支援事業所の要件(指定・人員・運営)

指定障害児相談支援事業者の指定は、障害者総合支援法の相談支援を行う者として内閣府令で定める基準に該当する者の申請により、事業所ごとに行われます(児童福祉法第24条の28)。指定を行うのは市町村長です。

指定基準で定められている主な要件
項目内容根拠
相談支援専門員事業所ごとに専従で配置(業務に支障がない場合は兼務可)指定基準第3条第1項
員数の標準障害児相談支援対象保護者の数が35またはその端数を増すごとに1人(計画相談支援と一体運営する場合は両方の利用者数の合計)指定基準第3条第2項
利用者数の数え方前6月の平均値(新規指定の場合は推定数)指定基準第3条第3項
管理者事業所ごとに専従で配置(管理上支障がない場合は兼務可)指定基準第4条

指定基準第2条の基本方針では、障害児と保護者の意思と人格を尊重し、提供されるサービスが特定の事業者に不当に偏らないよう公正中立に行うことが求められています。相談支援専門員の要件(実務経験と研修)は、こども家庭庁長官が定めるものとされています。詳しくは相談支援専門員とは?を参照してください。

開設時にそろえる書類や業務ソフトの選び方は、計画相談支援事業所の開設に必要な書類でまとめています。

障害児支援利用計画案の書き方のポイント

指定基準第15条第2項第7号では、障害児支援利用計画案に、子どもと家族の生活に対する意向、総合的な援助の方針、生活全般の解決すべき課題、福祉サービス等の目標と達成時期、種類・内容・量、提供上の留意事項、モニタリング期間の提案などを書くこととされています。

同項では、子どもの年齢と発達の程度に応じて意見が尊重され、最善の利益が優先して考慮されるよう計画を作ることや、通所支援以外の地域の資源も計画に位置づけるよう努めることも求められています。

主な欄の書き方(記入例は架空の事例です)
欄書くこと記入例よくある誤り
本人・家族の意向子どもの言葉と保護者の言葉を分けて書く本人「友だちとサッカーがしたい」/母「着替えや準備を自分でできるようになってほしい」保護者の意向だけで子どもの声がない
総合的な援助の方針発達の視点と家庭の状況を踏まえた支援の方向性集団の中で順番を待つ経験を重ね、身の回りのことを自分で行える場面を増やす「元気に楽しく過ごす」など、何を支援するか分からない
短期目標達成時期と、行動として確認できる目標6か月後までに、放課後等デイサービスで帰りの支度を声かけ1回で始められる達成したかどうかを判断できない
サービスの種類・量通所支援の種類・日数と、通所支援以外の資源放課後等デイサービス 週3日、地域のスポーツ教室 月2回通所支援だけで、学校や地域とのつながりが書かれていない

計画は、作成した後に子どもと家族に説明して文書で同意を得て、交付します。正式な計画は、サービス担当者会議を経て、子どもと家族、各サービスの担当者に交付します(指定基準第15条第2項第8号〜第12号)。アセスメントの聞き取り項目はアセスメントシートの書き方(相談支援)で、計画書の欄ごとの書き方はサービス等利用計画の記入例と書き方で解説しています。

書類業務の負担を減らす(AURAの使い方・事例)

障害児相談支援では、アセスメント、計画案、計画、モニタリングの記録と、子ども1人につき継続して書類が発生します。利用開始直後は毎月のモニタリングが必要になることもあり、面談や会議の後の記録づくりに時間がかかります。

AURA相談支援は、計画相談支援・障害児相談支援の事業所向けの障害福祉AIです。面談音声や記録から、アセスメント、サービス等利用計画案、障害児支援利用計画案、モニタリング報告書、支援経過記録などの下書きを作成します。今お使いのExcel様式を取り込んで書類を作ることもできます。AIの出力はあくまで下書きで、内容の確認と最終判断は相談支援専門員が行います。面談音声は保存開始から7日経過後に削除対象となり、最大8日程度で削除されます。書類作成の負担を減らし、子どもと家族に向き合う時間を確保しやすくすることを目指しています。

導入事例:「ちゃんと語れる計画書」を作る時間を取り戻す

福岡県の相談支援専門員・宮村さんは、放課後等デイサービスを使うための計画案が「元気で明るく過ごす」といった内容になりがちなことに違和感があり、子どもであれば発達の視点が必要だと語っています。導入前は月25件前後の面談・書類対応で休日も書類作成に費やしていましたが、1時間から1時間半、長いときは2時間かかっていた書類作成が5分ほどになったと話しています(インタビュー全文)。

※インタビューで語られた個別の体験・概数であり、効果を保証するものではありません。

障害児相談支援の書類づくりを見直したい事業所は、AURA相談支援の資料を受け取るから、使い方や導入事例を確認できます。

よくある質問

障害児相談支援の利用にお金はかかりますか?

かかりません。費用は障害児相談支援給付費として市町村から事業所に支払われます。通所支援そのものの利用料は別に扱われるため、市町村に確認しましょう。

障害児相談支援事業所はどうやって探せばよいですか?

市町村の窓口で、地域の指定障害児相談支援事業所の一覧を確認できます。WAM NETの事業所検索や、通っている療育機関・学校からの紹介で探す方法もあります。

放課後等デイサービスとホームヘルプを両方使う場合、計画はどうなりますか?

放課後等デイサービスは障害児相談支援、ホームヘルプは計画相談支援の対象です。両方の指定を受けた事業所が担当することが多く、具体的な扱いは市町村に確認しましょう。

18歳になったら障害児相談支援はどうなりますか?

18歳以降に障害福祉サービスを使う場合は、障害者総合支援法の計画相談支援に移ります。放課後等デイサービスの利用継続などの扱いは市町村ごとに確認が必要です。

利用中に事業所や計画を変えたいときはどうすればよいですか?

計画の変更は担当の相談支援専門員に相談すれば、モニタリングなどを通じて見直されます。相談支援事業所を変えたい場合は、市町村の窓口に相談しましょう。

参考資料

本記事は2026年11月5日時点の情報です。

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