就労継続支援A型とは|対象者・賃金・利用料・利用の流れ・B型との違い

公開日:2026/10/28

就労継続支援A型とは|対象者・賃金・利用料・利用の流れ・B型との違い

就労継続支援A型とは、一般企業で働くことが難しい障害のある人が、事業所と雇用契約を結んで働きながら、就労に必要な知識や能力を高める訓練を受ける障害福祉サービスです。市町村の支給決定を受けて利用します。

この記事では、法令上の定義、対象者と年齢、仕事内容、賃金と平均賃金、利用料、利用開始までの流れ、利用期間と一般就労への移行、B型・就労移行支援との違い、事業所の運営面の基本を、厚生労働省とe-Gov法令検索の一次情報をもとに整理します。

目次

  1. 就労継続支援A型とは(法令上の定義)
  2. 就労継続支援A型の対象者と年齢
  3. 仕事内容と事業所での働き方
  4. 賃金と平均賃金
  5. 利用料(自己負担)
  6. 利用開始までの流れ
  7. 利用期間と一般就労への移行
  8. 就労継続支援B型・就労移行支援との違い
  9. 事業所の運営面の基本
  10. 書類業務の負担を減らす(AURAの使い方・事例)
  11. よくある質問
  12. 関連記事
  13. 参考資料

就労継続支援A型とは(法令上の定義)

就労継続支援は、障害者総合支援法(障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律)第5条第15項で定義されている障害福祉サービスです。条文では、通常の事業所に雇用されることが困難な障害者などに就労の機会を提供するとともに、生産活動その他の活動の機会の提供を通じて、知識と能力の向上のために必要な訓練などを行うものとされています(e-Gov法令検索:障害者総合支援法)。

就労継続支援はA型とB型に分かれ、その違いは同法の施行規則第6条の10で定められています(e-Gov法令検索:障害者総合支援法施行規則)。

  • A型:通常の事業所に雇用されることが困難で、雇用契約に基づく就労が可能な人に、雇用契約の締結などによる就労の機会と生産活動の機会を提供し、必要な訓練などを行う
  • B型:雇用契約に基づく就労が困難な人に、就労の機会と生産活動の機会を提供し、必要な訓練などを行う
  • 障害福祉サービスの中では「訓練等給付」に位置づけられる(厚生労働省「障害福祉サービスの利用について」)

厚生労働省はA型を「雇用型」、B型を「非雇用型」とも表記しています。法律全体の仕組みは障害者総合支援法とはで解説しています。

就労継続支援A型の対象者と年齢

厚生労働省の「障害福祉サービスの内容」では、A型の対象者を「企業等に就労することが困難な者であって、雇用契約に基づき、継続的に就労することが可能な者」と説明し、次の例を挙げています(厚生労働省「障害福祉サービスの内容」)。

厚生労働省が示す就労継続支援A型の対象者の例
例内容
(1)就労移行支援を利用した人就労移行支援事業を利用したが、企業等の雇用に結びつかなかった人
(2)特別支援学校を卒業した人特別支援学校を卒業して就職活動を行ったが、企業等の雇用に結びつかなかった人
(3)就労経験のある人企業等を離職した人など就労経験があり、現に雇用関係がない人

年齢は原則として65歳未満が対象です。ただし、65歳に達する前の5年間(入院などやむを得ない期間を除く)引き続き障害福祉サービスの支給決定を受けており、65歳に達する前日にA型の支給決定を受けていた人は、65歳以上でも対象になります。

障害の種類は問われず、身体障害、知的障害、精神障害、発達障害、難病などのある人が対象になり得ます。障害者手帳の有無や、医師の意見書などの必要書類の扱いは市町村によって異なるため、窓口で確認しましょう。

また、施行規則では、通常の事業所に雇用されている人でも、労働時間を段階的に延ばす場合や休職から復職する場合に、一時的にA型を利用できるとされています(第6条の9の2、第6条の10)。

仕事内容と事業所での働き方

A型事業所の仕事は、事業所が行う生産活動です。運営基準では、地域の実情や製品・サービスの需給状況を考慮すること、障害の特性を踏まえて作業の能率が上がるよう工夫すること、利用者の希望を踏まえることが求められています(e-Gov法令検索:指定障害福祉サービスの事業等の人員、設備及び運営に関する基準 第191条)。

仕事は事業所によって異なり、たとえば次のようなものがあります。

  • パソコンを使った事務作業(データ入力、文書作成など)
  • 製造・加工、梱包、検品などの軽作業
  • 飲食店や販売店での調理・接客
  • 清掃、農作業、施設管理などの請負作業

雇用契約を結ぶため、勤務日や勤務時間、休日は雇用契約と就業規則で決まります。次は、ある利用者の1日の働き方のイメージです(架空の事例)。

就労継続支援A型事業所での1日の例(架空の事例)
時間帯内容支援の例
始業朝礼、体調の確認、その日の作業の割り振り体調の変化を記録し、作業量を調整する
午前データ入力などの作業手順書を用意し、ミスが起きやすい工程を一緒に確認する
昼昼食・休憩休憩の取り方や周囲との関わり方を見守る
午後検品・梱包などの作業作業の速さと正確さを振り返り、目標を調整する
終業日報の記入、面談困りごとや一般就労の希望を聞き取り、支援記録に残す

働きながら一般就労を目指すこともできます(後述)。

賃金と平均賃金

A型では、利用者は事業所と雇用契約を結び、働いた分の賃金を受け取ります。厚生労働省の通知では、A型事業者の新規指定の際に、生産活動の収入から経費を差し引いた額で利用者に最低賃金を支払うことができる事業計画になっているかを確認することとされており、最低賃金以上の賃金を支払うことが前提になっています(厚生労働省「就労移行支援事業、就労継続支援事業(A型、B型)における留意事項について」の一部改正について)。

厚生労働省の「令和6年度工賃(賃金)の実績について」では、A型事業所の平均賃金(月額)は次のとおりです(厚生労働省「令和6年度工賃(賃金)の実績について」)。

就労継続支援A型・B型の平均賃金(工賃)月額
施設種別令和6年度 月額施設数令和5年度 月額
就労継続支援A型事業所91,451円(対前年比105.4%)4,220か所86,752円
就労継続支援B型事業所24,141円(対前年比106.6%)18,245か所22,649円

平均賃金は事業所ごとの労働時間や地域の最低賃金によって大きく変わります。実際の時給や勤務時間は、求人票や事業所の説明で確認してください。

雇用契約を結ばない利用者の工賃

運営基準第190条では、A型事業者は原則として利用者と雇用契約を結ぶこととしつつ、B型の対象となる人に雇用契約を結ばずにA型を提供することも認めています(多機能型でB型を一体的に行う事業者を除く)。この場合、第192条により、生産活動の収入から経費を差し引いた額を工賃として支払い、1人あたりの月の工賃の平均額は3,000円を下回ってはならないとされています。

利用料(自己負担)

A型の利用者は、事業所に雇用されて賃金を受け取る一方で、障害福祉サービスの利用者でもあります。そのため、他の障害福祉サービスと同じく、所得に応じた月ごとの上限の範囲で自己負担が生じることがあります(厚生労働省「障害者の利用者負担」)。

障害者の負担上限月額
区分世帯の収入状況負担上限月額
生活保護生活保護受給世帯0円
低所得市町村民税非課税世帯0円
一般1市町村民税課税世帯(所得割16万円未満)。入所施設利用者(20歳以上)、グループホーム利用者を除く9,300円
一般2上記以外37,200円

所得を判断する世帯の範囲は、18歳以上の障害者(施設に入所する18、19歳を除く)の場合、本人とその配偶者です。厚生労働省の通知では、ハローワークにA型の求人を出す際、求人票に「利用料あり」または「利用料なし」を記載することとされています。応募前に利用料や昼食などの実費を確認しましょう。

利用開始までの流れ

A型の利用には、市町村の支給決定と、事業所との雇用契約の両方が必要です。厚生労働省の支給決定の流れと通知の内容をA型に当てはめると、次のとおりです(厚生労働省「障害福祉サービスの利用について」)。

  1. 相談・見学:市町村の窓口、相談支援事業所、ハローワークなどに相談し、事業所を見学する
  2. 申請:市町村に利用を申請する
  3. サービス等利用計画案の作成:相談支援専門員が計画案を作成する(セルフプランの場合もある)
  4. 暫定支給決定:原則として、一定期間の利用を通じてA型の利用が適切かを判断するための暫定支給決定が行われる
  5. 本支給決定:暫定期間中の利用実績やサービス管理責任者の評価も踏まえ、一般就労や就労移行支援など他の選択肢の可能性も検討したうえで決定される
  6. 雇用契約・個別支援計画:事業所と雇用契約を結び、就労継続支援A型計画を作成して支援が始まる

通知では、就労移行支援からA型に移る場合でアセスメント情報が十分に引き継がれているときなど、市町村が認めれば暫定支給決定を行わない場合もあるとされています。また、令和7年10月から就労選択支援が始まりましたが、当面の間、A型の利用に就労選択支援の利用は必須ではないとされています(厚生労働省 留意事項通知)。

受給者証は障害福祉サービス受給者証とは、相談支援専門員の役割は計画相談支援とは、就労選択支援は就労選択支援とはで解説しています。

利用期間と一般就労への移行

就労移行支援は施行規則で標準利用期間が2年と定められていますが、就労継続支援A型には、施行規則上の利用期間の定めはありません。体調や生活に合わせて、雇用契約のもとで長く働き続けることができます。

一方で、A型は一般就労を目指す人の通過点にもなります。運営基準では、A型事業者に次のような取り組みに努めることを求めています(e-Gov法令検索:指定基準)。

  • 就労継続支援A型計画に基づく実習の受入先の確保(第193条)
  • ハローワークでの求職登録などの求職活動の支援と、意向・適性に応じた求人の開拓(第194条)
  • 就職した日から6か月以上の職業生活の相談などの継続と、希望する場合の就労定着支援事業者との連絡調整(第195条)

また、厚生労働省の通知では、令和7年10月以降、A型を利用する中で本人の意向や能力に変化が見られる場合に備え、計画相談支援を行う者などと連携して、就労選択支援に関する情報提供を定期的に行うこととされています。就労定着支援の体制は就労定着支援の人員配置基準で解説しています。

就労継続支援B型・就労移行支援との違い

A型、B型、就労移行支援の主な違いは次のとおりです。

就労継続支援A型・B型・就労移行支援の比較
項目就労継続支援A型就労継続支援B型就労移行支援
目的雇用契約に基づく就労の機会と訓練雇用契約によらない就労・生産活動の機会と訓練一般企業への就職に向けた訓練と求職・定着支援
雇用契約結ぶ(原則)結ばない結ばない
受け取るお金賃金(令和6年度平均 月91,451円)工賃(令和6年度平均 月24,141円)給料はない(生産活動に従事した場合は工賃)
利用期間施行規則上の定めなし施行規則上の定めなし原則2年間
年齢原則65歳未満(例外あり)年齢による区分なし原則65歳未満(例外あり)

B型の対象者は、厚生労働省の説明では、就労経験があって年齢や体力の面で一般企業に雇用されることが困難となった人、50歳に達している人または障害基礎年金1級受給者などとされています(厚生労働省「障害福祉サービスの内容」)。A型は「雇用されて決まった時間に働けるか」、B型は「自分のペースで作業できるか」、就労移行支援は「一般企業への就職を目指せるか」が選ぶ際の目安になります。

B型の詳細は就労継続支援B型とは、就労定着支援や就労選択支援も含めた比較は就労移行支援と就労継続支援の違いを解説で扱っています。

事業所の運営面の基本

ここからは事業所を運営する側の基本です。最新の告示・通知と指定権者の案内もあわせて確認してください。

人員配置

A型の人員基準は、運営基準第186条で定められています(e-Gov法令検索:指定基準)。

  • 職業指導員と生活支援員の総数は、常勤換算で利用者数を10で割った数以上。それぞれ1人以上で、いずれか1人以上は常勤
  • サービス管理責任者は、利用者数60人以下で1人以上(うち1人以上は常勤)。61人以上は40人ごとに1人を加える
  • 利用者数は前年度の平均値(新規指定の場合は推定数)で数える

このほか、第189条で、社会福祉法人以外の事業者は専ら社会福祉事業を行う者であること、障害者雇用促進法の特例子会社ではないことが求められています。計算方法は就労継続支援A型の人員配置基準、サービス管理責任者の役割はサービス管理責任者とはをご覧ください。

就労継続支援A型計画(個別支援計画)

運営基準第197条は、個別支援計画に関する第58条をA型に準用し、計画の名称を「就労継続支援A型計画」と読み替えています。サービス管理責任者がアセスメント、計画原案の作成、会議、本人への説明と文書による同意、交付を行い、少なくとも6か月に1回以上計画を見直します。

厚生労働省の通知では、A型計画に、利用者の希望する業務内容・労働時間・賃金・一般就労の希望の有無、希望する生活や課題を踏まえた短期目標・長期目標、具体的な支援方針・内容を含めることとされ、画一的な記載や虚偽の記載は指定取消しなどの対象になり得るとされています。書き方は個別支援計画とは、目標の例は個別支援計画の目標例で解説しています。

生産活動の収支と賃金の関係

運営基準第192条では、生産活動の収入から必要な経費を差し引いた額が、利用者に支払う賃金の総額以上となるようにしなければならず、賃金の支払いに自立支援給付(障害福祉サービスの報酬)を原則として充ててはならないとされています。

この基準を満たさない場合、通知では、都道府県などが経営改善計画書の提出を求め、原則1年間の経営改善の猶予期間を設けるとされています。収益改善のために利用者の退所や賃金の引き下げを不当に行うことは、A型の趣旨に反するとされています。

運営状況の自己評価と公表

運営基準第196条の3では、A型事業者は事業所ごとに、おおむね1年に1回以上、利用者の労働時間など厚生労働大臣が定める事項について自ら評価を行い、その結果をインターネットなどで公表しなければならないとされています。評価の項目や方法は告示で確認してください。

利用希望者への説明

A型は「雇用」と「福祉サービス」の両面があるため、説明が誤解を招きやすいサービスです。注意したい例と書き換え例です(架空の事例)。

利用希望者への説明のNG例と書き換え例(架空の事例)
NG例問題点書き換え例
「A型なので利用料は一切かかりません」所得に応じて自己負担が生じる場合がある「利用料は世帯の所得に応じて決まります。上限額と当事業所の扱いをご説明します」
「平均で月9万円もらえます」全国平均であり、勤務時間や地域で大きく変わる「当事業所の時給と勤務時間は求人票のとおりです。月の目安を一緒に計算しましょう」
「一度入れば、ずっと働けます」雇用契約の内容や暫定支給決定の結果に左右される「まず暫定期間でお仕事が合うかを一緒に確かめ、その後の契約内容をご説明します」

書類業務の負担を減らす(AURAの使い方・事例)

A型事業所では、生産活動の管理に加えて、アセスメント、就労継続支援A型計画の作成と6か月ごとの見直し、モニタリング、支援記録、実績管理、国保連請求などの事務が発生します。新規利用者が多い事業所では書類が重なり、利用者と向き合う時間を圧迫しがちです。

AURA就労支援は、就労移行支援・就労継続支援A型/B型向けの障害福祉AIです。面談音声や支援記録からアセスメント、個別支援計画書、モニタリング報告書などの下書きを作成します。AIの出力はあくまで下書きで、内容の確認・修正と最終的な判断は職員が行います。利用者管理、支援記録、実績、国保連請求まで一つの環境で扱え、A型とB型の多機能型を1施設で運営している場合も1施設分の料金で使えるため、書類業務の負担を減らし、利用者の支援に時間を使いやすくなります。

導入事例:Omoro-Step靱公園 サービス管理責任者 原さん

原さんは、以前勤めていた就労継続支援A型の事業所では月に15〜20名ほど新規利用者が入り、アセスメントや個別支援計画など毎月書類に追われる感覚があったと話しています。現在の就労移行支援事業所でAURAを使い始めてからは、新規利用者のアセスメントと計画書原案に1時間半〜2時間かかっていた書類作成が、面談1時間に対して30分ほどになり、面談で目を見て会話できるようになったと語っています(インタビュー全文)。

※インタビューで語られた個別の体験・概数であり、効果を保証するものではありません。

AURA就労支援の機能や導入の流れは、AURA就労支援の資料を受け取るからご確認いただけます。

よくある質問

就労継続支援A型はどんな人が利用していますか?

一般企業で働くことは難しいものの、雇用契約を結んで継続して働ける障害のある人が対象です。就労移行支援を利用したが就職に結びつかなかった人、特別支援学校の卒業生、離職した人などが例として挙げられています。

就労継続支援A型の給料は最低賃金以上ですか?

雇用契約を結ぶ利用者には、最低賃金以上の賃金を支払うことが前提です。令和6年度の全国の平均賃金は月額91,451円ですが、勤務時間や地域によって異なります。

働いて給料をもらうのに利用料がかかるのですか?

A型は障害福祉サービスでもあるため、世帯の所得に応じて月0円、9,300円、37,200円のいずれかを上限に自己負担が生じることがあります。事業所ごとの扱いは求人票や重要事項説明書で確認してください。

就労継続支援A型に利用期間の上限はありますか?

施行規則上の利用期間の定めはありません。ただし、利用開始時は原則として暫定支給決定が行われ、支給決定には有効期間があるため、更新の手続きは市町村に確認が必要です。

65歳以上でも利用できますか?

原則は65歳未満ですが、65歳に達する前の5年間引き続き障害福祉サービスの支給決定を受け、65歳の前日にA型の支給決定を受けていた人は、65歳以上でも利用できます。

参考資料

本記事は2026年10月28日時点の情報です。

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